Serial Killer. 【戦国BASARA】

六話 ページ7

烏城 基、岡山城の一室にて、大谷吉継はやれやれ、と息を吐いた。

覇王こと豊臣秀吉が奥州の独眼竜、伊達政宗に敗れて、彼を神の如く崇拝していた石田三成は、復讐の為に動いていた。

大谷もその復讐を後押しすべく、最近、謎の怪僧を味方につけた小早川秀秋の元へ訪れた。
元は戦の餌として利用するはずが、なんとその怪僧がかの第六天魔王こと織田信長の実妹、お市を保護していた。

これは使える。最初はそうほくそ笑んでいた大谷だったが、最近の第五天はどうも一人で出歩くことが多くなった。
外出も程々にせよと釘を刺すも、彼女は昼前からふらりと何処かへ赴き、
大禍時ごろにまたふらりと帰ってくる。



＿＿ あのね…市のお友達を、連れて来ても良いでしょう？


今日はいつも以上遅く帰ってきたかと思えば…
聞けば金吾と怪僧の二人には既に了承を得ているらしく、念の為と、
自分の方にまで了承を得に来たようだった。


「あのモノに 友 …ナァ……、」


それはさぞ、怪奇なる姿をした者であろう。
いつも彼女の周りを漂う黒い手を思い浮かべながら、大谷は何度目かの溜息を吐いた。


マァ、良い。これも義のため三成のため…


今はただ、三成の復讐のために戦力となりうるあの女を好きに泳がせるとするか…。

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