ep39.貴方はいい子 ページ39
『うん、頑張ってきたんだね。
自分を殺して、自分に嘘をついて、自分で何もかも溜め込んで生きてきた。』
そうすることしか、彼には出来なかったのだ。
そうやってルールで自分を縛るって、それを他人に強要することで、自分のしていることは正しいと、そう思いたかった。
ああ、それは何て悲しいことなのだろう。
『いい子、偉い。頑張ったね、疲れたね。
苦しかったね、辛かったね。』
ﾘﾄﾞﾙ「お母様の言うことは、ちゃんと聞かなきゃ、いけなかった。そうしないと、楽しい時間まで取り上げられてしまうから…。」
『此処には、先輩のお母様はいない。NRCにいるのは、【ローズハート家の跡継ぎであるリドル】じゃなくて、【魔法士の卵であるリドル】。だから、我慢しなくて、いいんだよ？』
ﾘﾄﾞﾙ「うん…。ねえ、A。」
『なあに？』
ﾘﾄﾞﾙ「僕がまた間違えそうになった時、君は、僕を正しに来てくれる？」
『それは────無理。』
ﾘﾄﾞﾙ「えっ」
リドルは目を見開いた。
自分の話を聞いて、こんなに親身になってくれた人は、初めてだった。
それなのに、彼女は自分を正してくれるかときけば、否だと答えたのだ。
『私は、この世界の人間じゃない。
先輩が困った時、私は此処にいないかもしれない。だから、「絶対に行く」なんて、嘘になりそうな約束は、出来ない。』
ﾘﾄﾞﾙ「そう、だね。」
『でも、大丈夫。
だって、ローズハート先輩の周りには、沢山人がいるから。』
────先日、Aはトレイと話していた。
「ちゃんとした、幼馴染みになる方法？」
ﾄﾚｲ「ああ。Aと六花は幼馴染み何だろう？俺も、リドルとちゃんとした幼馴染みになりたいんだ。」
「なら…まず、間違っていることはちゃんと間違っていると告げるべき。甘やかすだけでは、彼は成長しない。」
ﾄﾚｲ「それは、分かっているんだ。
だが、」
「否定。貴方がちゃんと言わなければ、彼にとって、貴方は自分に従う"都合のいい相手"になってしまう。」
ﾄﾚｲ「リドルはそんな奴じゃ──」
「ローズハート先輩の性格どーのこーのじゃなくて、世間一般として。先輩の過去は分かってる。でも、甘やかしすぎたら、元も子もない。」
『大丈夫、クローバー先輩が、ちゃんと正してくれる。』
ﾘﾄﾞﾙ「トレイがかい？」
────きっと彼なら、ちゃんと止められるはずだから。
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あ - ep49の最後のところでフロイドが小エビちゃんって言ってます。間違いじゃなくてあってたらすみません。この小説面白かったです。 (8月14日 15時) (
レス) @page49 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
零様p - わざわざ教えてくれて、ありがとうございます！！布教活動頑張りますね！(笑) (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - 零様pさん» そう、貴方が仰る通り、クルーウェル先生の元ネタは「101匹のワンチャン」です！(公式)。ふ、布教？？嬉しすぎて口がにやけまくっています。 (2020年8月13日 21時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
零様p - メッッチャ関係ないんですけど、クルーウェル先生が１０１匹のワンちゃんの人にしか見えないのですが……。原案それだったり…？前置き長かったですが、てげ面白いです！友人にもアガサさんを布教するほど好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます！！返信遅くなってすみません (2020年8月9日 19時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re：アガサ・クリスティ | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年7月25日 12時
