ep13.朝一の職員室 ページ13
『…ゆっくり、来てね。』
六「…………zzz」
規則正しい寝息をたてる六花の額に軽くキスをして、蜂蜜色の髪を優しく撫でる。
あまり音を立てないようにして、ゆっくりとオンボロ寮のドアを閉めた。
朝一から、何故か呼び出しを受けた。
それも職員室に、それもAだけ。
場所はそこまで問題ではない、大事なのは泡沫Aだけが呼び出されたことだ。
『粗相をした覚えはないし…魔力がないのは、六花もおんなじ。』
敬語が使えないのは、もうクロウリー公認のような物だった。
良くも悪くも個性的な生徒たちの集まりであるNRCを纏める学園長であるクロウリーは、当然敬意も敬語も何もない生徒に慣れているらしく。
『当たり前みたいに、接してた。』
笑って「私、優しいので」を連呼していたし、六花のお馬鹿…単細胞な行動にも寛大だった。
『信用はできない。けど、優秀なヒトであることは、間違いない。』
味方か敵か。
どちらかと聞かれれば前者だろう。
だが、今はまだ信用できない。簡単に信用なんてできたら、私はきっと今此処にいないのだから。
『失礼、します。』
冷たい鉄のドアノブを回して、職員室へと足を踏み入れる──。
中にいたのは、見知らぬ男性五人だった。
呼び出した張本人であるクロウリーは当然のこと、その他四人はタイプは違えど世間的には"美形と"称される容姿端麗な人たちだ。
「来たな、仔犬。」
白黒のコートを筆頭として、身に付けている服や装飾品は素人目にも一級品とわかる物ばかり。
Aに最初に声をかけたのは、白黒の麗人だった。
『？』
ｸﾙｰｳｪﾙ「俺はデイヴィス・クルーウェル。
主に錬金術を担当している。」
『泡沫、A。
何故か異世界に来ちゃった、普通の女の子』
愉しそうに笑うクルーウェルを、Aのぼーっとした瞳が見つめた。
ｸﾙｰｳｪﾙ「クルーウェル様と呼んでいいぞ。」
『…初対面の女の子に、SMぷれいはやめた方がいいと思います。』
本気で引いたようなAの視線に、クロウリーは吹いた。
クルーウェルはクロウリーを睨んだ。
クロウリーは泣いた。
ｸﾛｳﾘｰ「次は皆さんですよ！」
クロウリーの言葉と共に、他の三人が前へ出た。
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あ - ep49の最後のところでフロイドが小エビちゃんって言ってます。間違いじゃなくてあってたらすみません。この小説面白かったです。 (8月14日 15時) (
レス) @page49 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
零様p - わざわざ教えてくれて、ありがとうございます！！布教活動頑張りますね！(笑) (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - 零様pさん» そう、貴方が仰る通り、クルーウェル先生の元ネタは「101匹のワンチャン」です！(公式)。ふ、布教？？嬉しすぎて口がにやけまくっています。 (2020年8月13日 21時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
零様p - メッッチャ関係ないんですけど、クルーウェル先生が１０１匹のワンちゃんの人にしか見えないのですが……。原案それだったり…？前置き長かったですが、てげ面白いです！友人にもアガサさんを布教するほど好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます！！返信遅くなってすみません (2020年8月9日 19時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re：アガサ・クリスティ | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年7月25日 12時
