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killing night 56 ページ8

「葬式、どうする。」

「やることは確かなんですよね?」

「ああ。そう聞いた。」

先程は動揺していたみんなだったけれど今は落ち着いて色々話しあっていた。

「先生の顔もっかい見ときたかったなー…」

『行けばいいじゃん。お葬式。』

お世話になった恩師のお葬式に行くか行かないかなど悩む所はどこにあるのだろう。

私はそんな間すらなかったからできなかったけれど機会があるのならば行けばいいのに。

「そら、僕ら全員で行きたいんよ?それはもちろんなんやけど、Aを1人でここに置いて行けへんやろ…?」

みんなが先程から顔をしかめて悩んでいたことは葬式がどうのこうのではなく、私をどうするかということだったらしい。

『私、1人でも大丈夫。道もわからないし出て行ったりなんかしないよ。』

今更出て行ったって私には帰る場所なんてないのだから。

「そーゆー、問題じゃないんよ!女の子が1人でこんなところ居たら危ないやろ!なんかあった時に俺らがいなかったらすぐに助けてあげられへんやん!」

坂田の言うこんなところとは我々がいつも衣食住を共にしているところだとわかっているのだろうか。

坂田はどうしよーと私の肩を揺らしてきた。

「あ!」

黙りこけていた志麻はぱあっと顔を明るくして口を開いた。

「Aも連れてけば?先生の葬式。」

「それだぁぁぁ!」

坂田は今世紀最大の大きな声で喜んだ。

「やっぱ、それが一番いいか。よし、Aも連れてくか。」

うらたはずっと顔をしかめて腕を組んでいたが志麻の一言で一瞬にして妥協してしまった。

「Aはそれでええ?嫌やない?」

みんな明るく嬉しそうなのにセンラだけは心配そうな表情で私に尋ねてきた。
センラの過保護っぷりは坂田をバカにできるものではないなと思う節がある。

『うん、大丈夫だよ。みんなの先生の姿一回見て見たかったし。』

どんな先生なんだろうか。
私にとっての先生は先生だけだったから他を知らないんだ。
だから少しだけ興味があった。

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霧雲 - 推しのうらたんと・・・?っっは!体が透けている・・・?・・いい人生だった・・・! (2021年8月8日 23時) (レス) id: 85272682ce (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです! (2018年12月21日 2時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
緑のさくら(プロフ) - 終わってしまったああぁぁ!!!!すっごく楽しく読ませて頂きました!表現力が高くて、透明感がある表し方で、もう何から何まで全部好きでした!!表現を学ぶのにとても勉強になりましたね!wお疲れ様でした! (2018年12月21日 0時) (レス) id: cc75d0bcae (このIDを非表示/違反報告)
うめた。(プロフ) - 相原宙さん» 誤字でした!ご指摘ありがとうございます! (2018年12月8日 1時) (レス) id: 6ac6c419a5 (このIDを非表示/違反報告)
相原宙(プロフ) - 74の大切って言った後なんですけど、「うらたの私への大変」って「うらたの私への大切」ですか? (2018年12月7日 22時) (レス) id: bc22572701 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うめた。 | 作成日時:2018年11月15日 17時

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