殺し屋やってるらしい。2【浦島坂田船】

killing night 88 ページ41

その声と顔を見てはっとした。
本当にあの人とそっくりだったから。
そして僕らはその人物に見覚えがあったから。

「のこのこと、俺の前に現れるんじゃねぇ！お前らは俺がゆっくり楽しく殺すはずだったんだよ！」

僕らに殺しを教えてくれた先生の弟子の1人であり、先生の1人息子。
うらたんには劣っても先生の血をしっかりとひく強い殺し屋だ。

まさか、また出会うことになるなんて。

「なぜ、Aを狙う。アンタとAは無関係でしょう。」

「俺はこいつを狙ってる訳じゃねぇ、それにそんなのお前らに教える義理はねぇよ。」

問答無用。そう言わんばかりに殺し屋としての力を乱用してくる。

怒りを露わにしてその力の全てを僕らに向けてくる。
こいつにあるのは僕らに対する憎悪だけ。
ただ1人でもなく、勿論その中にAは存在せずu.s.s.s4人への強い憎悪だけ。

「お前らさえいなければ、俺はあの人に選ばれた！お前らさえいなければお前らさえいなければ…！！」

バカらしく、浅はかだと思った。
こいつは逆恨みで何年も無駄にしたというのだろうか。
誰よりも先生の近くにいたはずなのにたかが選ばれなかった嫉妬でこんなに怒り狂っているのか。

「それでも、Aを傷つけた対価は高いですよ。どう、してくれるんです？」

もう、優しい殺しはやめる。
君を傷つけたこいつがどんなであろうともAとの生活を脅かす者は僕らがこの手で始末しなければいけない。

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