killing night 87 ページ40
「黙っていれば生かしてやったのに！！」
『あなたは私を売ったあとあの人たちを殺す気だったでしょう。』
よく考えればすぐわかったこと。
どうしてすぐに気がつけなかったんだろう。
この男の狙いは金が全てではない。
念頭にはu.s.s.sがいないと意味がないこと。
「…当然だろ。その方が一石二鳥だからな。」
『なぜu.s.s.sを狙う？他のものではダメなのか！』
「あいつらさえ、いなければ俺の人生はめちゃくちゃになんてならなかった…」
男はぶつぶつと何か言って銃を乱射してきた。
どうやらこの男は私のことは詳しくは知らないようだった。
私が銃術が得意なことも知らないのだ。
しかし、男は強い。
私がそう言い切れるほどに。
乱れ撃ちの最中ナイフも飛んで来る為自分を守ることに手一杯になり、なかなかむこうに攻撃ができない。
向こうも息を切らしている。
だがこの数えきれない銃弾を相手にしている私の体力も底をついてきた。
「お前もその程度か。死ね！！！」
1発くらいなら、と身構えたその時。
キン！！！
金属の擦れる音が耳に響いた。
男が私めがけて撃った銃弾は私には当たらず途中の所で落ちていったのだ。
それも、私の銃弾ではない、他の銃弾に当たって。
『この、銃弾は…』
私はこの銃弾を知っている。
この銃弾は簡単に作れるものでもないし、よほど技術の高い者しか狙って扱うことはできない。
『志、麻…』
「A、やっと見つけた。」
もう二度と会うはずのなかった彼らにまた会うことになってしまうなんて。
彼らに気をとられて私は男の銃弾を肩に受けた。
『ッ！！！』
「A！！」
私に近づこうとする坂田に向かって叫んだ。
こんなに大きな声出したことないってくらい。
『こっちへ来ないで！今すぐ船に帰って！』
「無理や、知ってんねんで、A俺ら守るために出ていったこと。こうやって今戦ってること。でも俺らAがいなくなったらなんも残らへんねん。だから、船には帰らない。Aと生きて帰るまで。」
私は彼らを裏切ったのにどこまで優しいのだろう。
頭が、痛くなる。
「ふざ、けんなよ…」
彼らが男の顔を見た時、みんなの目が大きく揺れ動いた気がした。
killing night 88→←killing night 86
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 436人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霧雲 - 推しのうらたんと・・・？っっは！体が透けている・・・？・・いい人生だった・・・！ (2021年8月8日 23時) (
レス) id: 85272682ce (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです！ (2018年12月21日 2時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
緑のさくら(プロフ) - 終わってしまったああぁぁ！！！！すっごく楽しく読ませて頂きました！表現力が高くて、透明感がある表し方で、もう何から何まで全部好きでした！！表現を学ぶのにとても勉強になりましたね！wお疲れ様でした！ (2018年12月21日 0時) (レス) id: cc75d0bcae (このIDを非表示/違反報告)
うめた。(プロフ) - 相原宙さん» 誤字でした！ご指摘ありがとうございます！ (2018年12月8日 1時) (レス) id: 6ac6c419a5 (このIDを非表示/違反報告)
相原宙(プロフ) - 74の大切って言った後なんですけど、｢うらたの私への大変｣って｢うらたの私への大切｣ですか？ (2018年12月7日 22時) (レス) id: bc22572701 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うめた。
| 作成日時：2018年11月15日 17時
