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美「ううん」
「はぁ」
美「Aちゃんくそほどかわいいもん」
「わかったわかった」
ありがとね、とAは俺に呆れた視線を向けて頷くと黙々とパンに食らいついた。疲れたからお腹空いてるみたい。俺の方はそんなにお腹空いてるわけじゃないからその隣にコーヒーを飲んでたら、上からお隣のカップルが降りてきてエリちゃんがAを見つめてニヤッと口角を上げて「あっ。おはよう、Aちゃん」と微笑んだ。
「お、おはよ・・・」
美「(笑)」
萩ちゃんとエリちゃんにバレてしまったのが恥ずかしかったのか少しばかり居心地悪そうな顔でそう返事するAに鼻で笑ったら彼女は俺をギロッと睨んだ。そんな俺らに「はぁ、いいんだか悪いんだかだな」と笑って首を降った萩ちゃんは「じゃあ、俺ら行くわ」とエリちゃんの手を引き寄せた。
美「どこ行くの?」
エ「新居に」
美「愛の巣?」
エ「ふふ、いいでしょっ」
じゃあ二人ともバイバイ!やっと付き合えてよかったね!と手を振ってきたエリちゃんは萩ちゃんに引っ張られるようにそこから居なくなるとAはエリちゃんの発言に固まったけどすぐに二人が居なくなったことに心底安心したように息を吐いた。
美「(笑)」
朝食を食べ終わればまた二人きりなわけで「Aちゃんの愛の告白の所為で見損ねた映画でも見る?」とAに問いかけると彼女は「いじわる・・・!」と口を尖らせて俺の手からDVDを奪うとせっせとセットし始めたから俺がポップコーンはどこだっけ?とキッチンでその容器を探しているとAは楽しそうに「みゅうさん、ポップコーン!」と声を上げた。
美「はいはい」
「ふふ」
ポップコーンを片手に戻ってきた俺に嬉しそうな顔をしたAは俺の隣に座ってくるから、「映画見るときはこっちだろ」と彼女を膝の間に収めるとAは「あっ、」と声を零した。
美「ん?」
「・・・前に観たとき、こうやってたなって」
美「ふふ、そーだね」
彼女のお腹の前にまわした腕に重なるAの白い腕。頭の上に乗せた顎を乗せると彼女はキュッと口角を上げるからその姿が可愛すぎて頬にキスを落とせば「んもう!」と怒るけど・・・恋人としてこうやって過ごすのはまた別で楽しい。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月20日 2時