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映画に集中するAに度々ちょっかいを出しては怒られてを繰り返していたら映画も終わってしまうわけで、続けて観てなかった分のドラマを見始めたAはその体勢にちょっと疲れてきたのか背中を少し倒して俺に凭れ掛かってくる。
俺自身ソファーに背中を付けていて二人して脱力状態みたいな格好で居たら急にAが俺の顔を見上げてきた。
美「なに?」
「ふふ、」
ぐるっと体をこっちに向けてくるから「観なくていいの?」とテレビを指差せば彼女はまた笑って俺の胸に凭れ掛かってくるから、急に怒ったり急に甘えたりやっぱネコだよな・・・と思いながら髪の毛を撫でると嬉しそうな顔をした。
「みゅうさん」
美「ん?」
「チューしよ?」
美「は?(笑)」
急になんなん、と思いながら「どうしたの?」と腕を撫でて顔を近づけるとAは「したくなったの」と俺に真っ直ぐで色っぽい視線を送るから途端にドキッとすると瞬きをする暇すら与えずにAが近づいてきて俺の唇に下からキスしてきた。
美「・・・、」
「ふふ、」
俺の膝を跨ぐように上に乗っかってきたAは俺の頬を両手で包み込むと「大好き、」と俺と目を合わせた。吸い込まれそうなくらいのその瞳を見つめながら降り注いでくるキスを受け入れる。
ていうか、ミニスカタイツでこんなんやられたら・・・やばいでしょ。
俺の膝の上に跨っているからスカートから伸びたタイツの脚に触れそうになるのを必死に堪えて腕を彼女の背中に回すと、満足そうに俺の首に腕を回してまたキスを再開させる。
Aは・・・やばい女。
ここがリビングであって、今も刑事ドラマが展開を繰り広げられているテレビの音がして、こんなに明るいのに。思考がどんどん昨日の夜を思い出させるようにするから、途中でクラクラしてきそうだった。
美「A」
「・・・ん?」
トロッとした眼差しと乱れた髪の毛に、濡れた唇。・・・そっちも、スイッチ入ってるじゃん。首に腕を回したまま至近距離で俺と目を合わせている彼女に、「上行く・・・?」と小さく問いかけたら彼女は「どうしよっかな」と首を傾げる。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月20日 2時