君は、恋人ちゃん。 (ページ19)

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いつもやってもらってるからとキッチンで静かに簡単な朝食を用意する・・・と言っても、市販のパンにジャムを塗ってヨーグルトを出すくらいしか出来ないんですけど。ここに来て俺の中にある「尽くしたい欲」がぐんぐん上に登っていくわけで、なんかしてあげたくなってそれらを準備していると、上から降りてきたAが「みゅうさんっ」と困った顔で近づいてきた。

美「お、今日の格好可愛い」

「うるさいな、そんなのはどうでもいいのっ」

美「え？(笑)」

首まで隠れるタートルネックの上に揺れるネックレス。優等生みたいなネイビーのベストに上品な色合いのチェックのミニスカート。バイトに行く時は絶対にパンツスタイルだから久しぶりに見たスカート姿に頬が緩みまくる。袖がふわっと広がっているその服から覗く細い手首が俺の腕に伸びてきてぎゅっと腕を抓ってくるから「いって！」と俺は顔を歪めた。

真っ赤な顔で俺を見上げたAは「なんで見えるところにつけたの！？」と小声で困ったように訴えるとさっき抓った俺の腕をボカボカ殴ってきた。

美「・・・ごめん(笑)」

「笑い事じゃないよっ」

美「勢い余ってやってしまいました」

「本当に気をつけて？」

美「可愛くて、つい」

「っ、もうっ！」

美「てか、つけたことも覚えてないくらい昨日は夢中だったんだね？」

俺がそうふざけて煽ればAはゆでダコみたいになった顔で俺を睨んでまた腕を抓ると俺の手の中にあったヨーグルトを奪って「みゅうさんのバカ！！」と声を上げた。

美「(笑)」

「笑い事じゃないから？」

美「ごめんて・・・Aちゃん許して」

「・・・もう。」

美「今日すごい可愛いね、海外の制服みたい」

「・・・褒めても許さないから」

美「髪の毛も下ろしててすっごい可愛い」

「はぁ、」

可愛いを連発する俺に呆れた眼差しを向けた彼女は黒いカチューシャで前髪を上げていて、稀に見るおでこ全開の髪型に「可愛くて見惚れちゃうなぁ？」と隣で頬杖をつきながらそう褒めたらAは「恥ずかしくないの？」と俺を見つめて眉間に皺を寄せた。