83，初見殺し ページ35
胡蝶の屋敷に滞在し始めてから数日が過ぎたある日の夜、目が覚めたAはベッドから降て床に素足をつけた
ここ最近、嫌な夢を見る。
それは私が、知らない人と
楽しそうに話したり、遊んだりする夢。
一見、嫌な夢には感じないのに
どこかで心が叫んでいるのだ。
逃げろ、捕まるな…と。
誰と話しているは分からないのは
首から上がぼやけて見えないから。
でも、部分的に思い出せるのは
身体中に入れ墨をしている人…
扇を持って、絶えず笑っている人。
色んな人達と話していて、
楽しいはずなのに
最後は必ず吐き気がして
無理やりに目が覚める。
胸焼けのように、
いつまでも違和感が残っている
「…風に当たろう」
中庭の見える廊下に出て
風邪に当たりでもすれば
気が落ち着くだろうと思い
私は静かに歩いた。
同室で寝ている炭治郎君達を
起こさないためにも、音を立てないように…
「…あれ？」
ふ、と炭治郎君達の方を見ると
開いているベッドを見つけた。
確かここには、嘴平君が寝ていた筈…
「…って、炭治郎君もいないし」
2人揃って、何処かへ
行ってしまったのだろうか。
そう思いながら部屋を出て廊下に出ると、
1人の男性…いや、女性かな？
青い髪をなびかせ、
座って月を眺める人がいた
「あの、すいません」
そう私が尋ねると、
ビクッと肩を揺らしたその人は私を見る。
そしてすぐに
ギョッとした表情になったかと思うと、
すぐに立ち上がって
私に背を向け、スタスタと歩き出した
「あ、あの！嘴平君っていう人、
どこに行ったか知りませんか！？」
あっ、しまった。つい大声で叫んじゃった。
でも、その人はピタりと止まってくれた
心当たりがあるのかな
「……、」
「え？」
何かをボソ、と言ったのが
聞こえなくて聞き返すと、
ワナワナと体を震わせて
その人は思いっきり振り返り
私を見て言った
「俺が！嘴平伊之助様だっっっっ！！」
「えぇぇえぇええ！？」
あっ、また叫んじゃった。
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無希(プロフ) - 白夜さん» 作品をご閲覧して下さりありがとうございました！記憶というものがいかにかけがえのない存在なのかをお伝えしたかったので、悲しい・切ないと感じて下さり感無量です！今後も見守っていただけると幸いです！コメント下さり本当にありがとうございました！ (2020年11月27日 6時) (
レス) id: 41ba87352e (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 主人公が 記憶を 失うのは ちょっと悲しい(切ない？)けど、全部 思い出して ほしい…とても 素敵な作品 ですね (2020年11月22日 0時) (レス) id: 95ea5261ad (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - ところで、華恋は花咲く恋という意味でいれました。恋愛設定なら、この小説はゆりの恋だと思います。花言葉は幻かくです。記憶を失うからです。夢の中で記憶をみたりさまよう感じで。。 (2020年9月7日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - るいの様子を無惨様にみられていたとおもいます。だから、下弦のかいたいの時閻魔に名前をさがすように命令されたりするとおもいます。推測してしまいました。。 (2020年9月6日 12時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - 特に提案どうりにいきそうで嬉しいです。夢の中で、鬼の事を思い出したりしそうです。好きだから、無惨様殺しをするというのがよくあります。。難しいとはわかっているけれど、違う形がいいです。 (2020年9月5日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無希
| 作成日時：2020年6月28日 16時
