【鬼滅の刃】拝啓、過去の私へ日記。Part.2

80，蝶との戯れ ページ32

数日後、

「ふざけんなお前ら！天国にいたのに地獄にいたような顔してんじゃねぇえ！」

ようやく炭治郎達の傷も癒えた頃、
機能回復訓練が行われる事になった

「女の子と毎日キャッキャしてただけの癖に
何やつれてんだ土下座しろ！」

機能回復訓練は、治癒のみならず
能力向上の役割も兼ね備えるものであり

反射訓練や全身訓練など、いずれも
体を鍛え上げるためのカリキュラムである。

そんな苦痛に耐えかねた炭治郎と伊之助を
みた善逸は、2人に喝を入れる

「女の子に触れるんだぞ！
鬼ごっこの時は体触れるし、すれ違えば

いい匂いだってする！炭治郎が違法的に
Aちゃんにやってる事だぞクソが！」

「い、違法って善逸…俺は
別にそういう気持ちでAに会っ…」

「だぁまぁれこんのデコっぱちがぁああ！」

善逸の暴走は止まらない。




「(…なんか凄い騒がしいんですけど)」

機能回復訓練を受けている3人の一方で、
Aは しのぶに呼ばれて医務室を訪れていた

「Aも参加したかったですか？」

「え？あ…」

無意識に善逸の声が聞こえた方を
見ていたらしく、

その様子に気づいた しのぶが
微笑みながら言う

「参加しても構いませんよ。ただ、
貴方はもう随分前に訓練を達成していますし、

無傷なので必要はないかなと
思ったものですから」

「いえ、大丈夫です。胡蝶さんと
お話がしたかったので。それに、

訓練なら後でいつでも参加できるので」

「…しのぶ、で構いませんよ」

しのぶは少し寂しそうに眉を下げながら
椅子に座っているAと向き合った

「…じゃあ、あの……『しのぶ姉さん』と
お呼びしてもいいですか？」

おそるおそるAが尋ねると
しのぶは、ハッとした。

まるで脳内が真っ白に
なったとでも言わんばかりに固まっている。

「す、すみません。馴れ馴れしいですよね」

「ふふ、いいえ。同じ事を、前にも
言われましたので、少し驚いてしまって」

一瞬は驚いていたが、今度は打って変わって
嬉しそうに口角を上げるしのぶ。

「実は1年前に、私はカナヲとAを
継子にしようと思ったんです」

継子…確か、栗花落ちゃんが教えてくれた。
いわば師匠が弟子を持つようなものだって

と言うことは生前、私は しのぶ姉さんと
師弟関係になろうとしてたって事…？

「その提案をした時…
カナヲは受け入れましたが、

貴方は対照的に拒みました。
理由はなんだと思います？」

わ、分からぬ
…教えておくれ生前の私よ。

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