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69,自問自答の末の答え ページ21

「あ、あの…えと…」

何を言う?
何てごまかす…?

この人達は、
私の正体を打ち明けるに値する人達なの?

それに、この世界で
鬼って…どんな存在なの…?

さっき、私をここに連れてきた黒子の人は
竈門炭治郎って人を説明する時、

【鬼殺隊でありながら、
鬼である妹を連れていた】と言っていた

その発言にはプラスなイメージは
感じられなかった。

つまり、鬼の存在はこの世界では
あまり良いものではないんじゃないの?

だったら、私が鬼である事を言ったら
敵視される可能性が高い

それにさっき、綺麗な女の人が
私の事を

『普通に食事もできて、
日光に当たっているのに焼かれていないから

鬼である筈がない』って言ってた。

この世界の鬼の構造がそうなのであれば
私の鬼の仕組みとは違っている。

だけど…それを説明して
この人達は納得してくれる…?

信じてくれるの…?

もし信じてくれなかった場合はどうする?
殺される?

私は逃げ切れる…っ?

逃げられたとして、
その先はどうすれば良い…!?

何も分からないこの世界で…っ

私は…どうやって…!




「A!」

「は、はい!」



Aが脳内でパニック状態になっている時、
炎のような模様の羽織を着た男

炎柱の煉獄杏寿郎が、その名を呼んだ。

「迷う事はない!自分の言葉で
正直な気持ちを伝えてほしい!

我らとAは共に過ごした仲だろう!」

目眩がするほど思考が乱れていた私の中に
スッとその言葉が入ってきた

「…自分の、言葉……」

杏寿郎のハキハキとした声は

Aの緊張を
さらに助長させてしまったものの、

彼女の中のモヤを晴らしたのは間違いない。

当然、杏寿郎が述べた『共に過ごした仲』
なのかはAには分からない。

それでも…

「…私は、」



そしてついにAが、恐る恐る口を開ける



「……私は…人間ではなく、鬼…です」



その事実を聞いた柱達は、
それぞれどのような感情を抱いたのだろうか

「でも、半分人間なんです。ですから、
致命傷を負えば人間のように死にます。

でも、生き返るところは鬼の能力でして…
人外と呼ばれる所以です…」

それからしばらく、私は自身のあらましを
この場にいるものに説明した。

前世の事、鬼の事、
よってどんな代償があるのかも、何もかも。

その時は何故か、自然と緊張もせず
スッとわだかまりが

消えていくような感覚だった。

70,賛否両論の存在→←68,答え合わせの時間



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無希(プロフ) - 白夜さん» 作品をご閲覧して下さりありがとうございました!記憶というものがいかにかけがえのない存在なのかをお伝えしたかったので、悲しい・切ないと感じて下さり感無量です!今後も見守っていただけると幸いです!コメント下さり本当にありがとうございました! (2020年11月27日 6時) (レス) id: 41ba87352e (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 主人公が 記憶を 失うのは ちょっと悲しい(切ない?)けど、全部 思い出して ほしい…とても 素敵な作品 ですね (2020年11月22日 0時) (レス) id: 95ea5261ad (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - ところで、華恋は花咲く恋という意味でいれました。恋愛設定なら、この小説はゆりの恋だと思います。花言葉は幻かくです。記憶を失うからです。夢の中で記憶をみたりさまよう感じで。。 (2020年9月7日 12時) (レス) id: d87eae5019 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - るいの様子を無惨様にみられていたとおもいます。だから、下弦のかいたいの時閻魔に名前をさがすように命令されたりするとおもいます。推測してしまいました。。 (2020年9月6日 12時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - 特に提案どうりにいきそうで嬉しいです。夢の中で、鬼の事を思い出したりしそうです。好きだから、無惨様殺しをするというのがよくあります。。難しいとはわかっているけれど、違う形がいいです。 (2020年9月5日 21時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無希 | 作成日時:2020年6月28日 16時

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