ヒーロー薬、最強薬＊トド松 ページ47
むつ担当＊続き
帰ってきた兄さんたちに散々怒られ、げんなりしながらAと遊ぶ。
当の本人であるAは、きゃっきゃと笑っている。
この世に存在する天使って言うのは、きっとAのことだ。
あまりにも可愛すぎるから写真を撮ろうとスマホを手探りで探す。
「(っあ、さうだ兄さんたちに……)」
さっき怒られたときに、兄さんたちにスマホをとられたのだ。
忘れていた。
「……トオ松兄ちゃん？」
「あ、ごめんねっ!!
ボク次の番だね、よーっし」
なんだかスマホが無いのが、不安になった。
だめ、スマホ中毒じゃん。
そうジブンに言い聞かせながら、一本ジェンガから棒を引き抜いた。
―――
「ふぁ、眠ぅ」
「もーっ、トド松くん
寝不足？」
「えへへ、ちょっとね」
商店街でたまたま会った小百合ちゃんと、成り行きで喫茶店でお茶会。
小百合ちゃんはもうすぐ結婚するらしくて、すごく笑顔で彼について話してくれた。
むぅ、妬けちゃうなぁ。
「トド松くんさ、lineってやってるの？
やってたら交換しようよ」
「あーごめん
今さ、兄さんたちにスマホ没収くらっちゃって」
我ながらダッサイ理由だ。
兄さんたちにスマホ没収って、20にもなってなに言ってんのって感じ。
「というかさ、トド松くんって妹いるよねー
なんだっけ？
Aちゃんだっけ」
「そうっ!!
ボクの妹ねー、すっごく可愛いんだよ!!
こんなクズ兄弟の妹とは思えないくらいにっ!!」
「は……はぁ」
少し引きぎみの視線を向けながら、小百合ちゃんがズズ、とストローを吸う。
ボクはまだまだAについて話せるぞ、と意気込んだ顔を向ける。
「……なんか、今さっきAちゃんっぽい子が、中学生に絡まれてたけど
多分人違いね」
「え、は…？」
小百合ちゃんがこぼした言葉に、過激に反応してしまう。
もし人違いだとしても、そんなこと聞いちゃったら反応しちゃうな。
「え……、それってどの辺？」
「んーっと、赤塚保育園の近くかしら
それで、近くの青松中学の生徒っぽい男子が三人くらいでその女の子に絡んでたわ
しかも、女の子は嫌がってて」
赤塚保育園、そこはAがかよう保育園だ。
その近くには確かに青中もある。
嫌な予感がする。
頭が痛い。
「ね、ねえ、さ、ゆりちゃん」
「え？」
「ボクを、そこに連れてって」
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作者名：まねみー＆むつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年9月21日 20時
