薬松【おそ松さん】 (ページ41)

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再会薬＊カラ松[続] ページ41

カラ松sideのご要望があったので
引き続きまねみー担当でございます

カラ松side

……揺れる空間と

崩れ落ちる家

僕はそこでただただ呆然と

「………う…あ……っ…」

瓦礫の下敷きになっているAちゃんを見つめていた

必死で、必死で瓦礫を退けようと頑張った

でも僕は犬だから

力がなくて、瓦礫を退けられない

「…から………まっ……つ…」

力ない声で、Aちゃんは僕の名前を呼んで

側に青い僕のお気に入りの首輪を置いた

「……やくっ…そくだよ……

この首輪つけ、て、…っ…あの木の下で…っ…

生まれっ…変わって…あおっ……う…っ…ね…

絶対…やくっ…そく……」

Aちゃんは涙を流しながらそう言って

二度と目を開かなくなった

………僕は

犬だから首輪つけれないよ

犬だから涙を流すことも

君の名前を呼んで、助けを呼ぶこともできなかった

最期なのにありがとうとも言えなかった

……僕は

走った、青い首輪を口に咥えて

ただひたすらに走った

地震で燃え盛る家を出て、足に何か刺さっても

逃げる人達に蹴られてこけても

僕は死ぬ気であの木の下へ向かった

_____ドサッ

松の木の下に着いた頃には、僕は力尽きてその場に倒れこんだ

……Aちゃん

僕を拾ってくれてありがとう

僕は君にいっぱい色んなものを貰ったよ

絶対Aちゃんのことは忘れない

……この木の下で生まれ変わっても待ってる、ずっと待ってる

僕はその後、最期の力を振り絞って

松の木の下に青色の首輪を埋めた

……神様

次生まれ変われるのなら

どうか、どうか

Aちゃんに気持ちを伝えられる、人間にしてください

_____

俺には前世の記憶が明確にあった

Aのことも約束も鮮明に覚えている

……俺は前世の記憶を思い出したその日から、毎日約束の場所に通ってAを待った

…Aはきっと覚えていない、前世の記憶があるなんて普通じゃないんだから

それでも俺は飼い主を信じた

Aが少しでも思い出してくれるように、松の木の下に埋めていた首輪を探した

ボロボロだったが奇跡的に見つかった

…これを手につけて、俺は毎日松の木の下でAを待った

そして時は過ぎて23年

変わらず俺はこの公園に通っている

今日もAを……_____

「あの……すみません。」

……

「……私があなたと前世で…」

………

…

…あぁ

やっと会えた