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再会薬*カラ松 ページ39

……ここだ


松の木がたくさん生えている綺麗な公園


私はドキドキしながらその公園に足を踏み入れた


辺りをキョロキョロ見渡しても、小さい子供やちらほら大人がいる程度


ピンとくる人物もいなければ動物もいない


…前世の記憶の犬がどんな姿で生まれ変わったのかはわからないし、前世の記憶が明確になった訳ではない


……そう改めて考えると


やはり無理なのだろうか、見つけるのは


A「………せっかく…


せっかくここまで…頑張ってきたのに…」


もしまた犬に生まれ変わっていて、それが飼い犬だったらどうしよう


仮に人間だとしても向こうは私のことなんて覚えてないじゃないか


今まで避け続けてきた色々な不安を実感し抱えこみながら、私はベンチに一旦腰を下ろした


A「……


…ほんと綺麗な公園だ……」


広くて松の木も綺麗で





………あ


あの松の木……一本だけ違う種類だ


私のいるところから少し離れた先に目にとまった松の木があった


……無性に気になり、立ち上がってその松の木に行った


A「………あ…」


近づくにつれて


その松の木の下で本を読んでる男の人がいることに気がついた





…………あれ


あれ、あれ?なに…


……なにこの、この感じ。


A「………


…すみません」


……私はその男の人に、声をかけていた


「………はい?」


その男の人はゆっくりと顔を上げ……


A「……


……あな…た……は…」


…疑いが確信に変わった瞬間だった


この人だ


この人が前世で私と約束した犬だ


…相手は私を覚えていない様子


でも、例え不審者扱いされても


やっと会えたんだ、やっと約束を果たせたんだ


…勇気を振り絞って、私は彼に言った


A「……あなたと私は前世の頃、死に際で


ある約束をして、その約束を果たしにきたと言ったら…


……どう思いますか?」


遠回しすぎたか、変な奴だと思われたか


彼はぽかんとして、私を見つめていた





…だんだんとやっぱり恥ずかしくなってきた


私の記憶はあっても、相手は何も知らないんだ


初対面の人にこんなこと言う人なんて…普通じゃない


A「…す、


すみません、変なこと……」


私は顔を赤くしながらそそくさとその人から離れようとくるっと後ろを振り返った


……いいじゃないか、顔を見れただけでも


素敵な人だった


きっと今は可愛い彼女さんもいて、充実した日々を……


_____グイッ

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作者名:まねみー&むつ x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年9月21日 20時

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