薬松【おそ松さん】 (ページ38)

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再会薬＊カラ松ページ38

まねみー担当

Aside

私には前世の記憶がほんの少しだけある

前世の私は家族みたいに大切な犬を飼っていて

地震が起きて、瓦礫の下敷きになった私は

隣でワンワン鳴いて必死に瓦礫を退けようとするその犬に、あることを言った

『×××…生まれ変わったらあの木の下で待っていてくれる？

わかるように…これ、つけてて」

私は奇跡的に手で握りしめていた青色の綺麗な首輪を犬の側に置いた

つけてあげる気力はもうないぐらい死にかけていたんだろう

『絶対、絶対また会おうね』

そこで記憶は途切れている

……あの木の下も、犬の名前も

私は覚えてないし、きっとその犬も覚えてないどころか生まれ変わってるかすらわからない

こんな曖昧でどうしようもない前世の記憶

何度も私は忘れようとした

…でも

忘れようとすればするほど胸が苦しくなって

結局泣いて、この約束を捨てることができなかった

会いたい。

無性にそう思うことが増えた20の夏

私は本格的に前世の頃一緒にいた犬を探す方法を考えた

考えに考えた末、私が出した答えは

薬だ

A「……作ろう」

何年かかってもいい、何十年かかってもいい

その子と会える薬を開発して、また会うって言う約束を果たす

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あれから5年の月日が流れた

5年間休みなく、毎日研究所にこもって開発を続けた結果

ついに完成した

この薬を飲むと、会いたい人に会うことができる

再会薬…なんて、少しそのまますぎるだろうか

私はその錠剤をごくんと飲んだ

A「…………

……あっ…」

……すごい

場所がわかった

あの犬がいる場所が頭に浮かんで…

…ここは……松の木の下…すぐ隣の県の……

A「………っよし！！」

場所もわかって、そして何よりその犬がまた私と同じ時代に生きていることがわかったことに涙が止まらなくなった

私はすぐ白衣を脱いで、早速行く準備をした

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