空嘘薬*おそ松 ページ27
むつ担当*続き
いつの間にか訪れた引っ越しの日。
私は確かに、空嘘薬を飲んでいなかったはず。
その日、おそ松が花束持って家にやって来た。
最後くらい素直になろうと思ってた。
「また、会えたらいいな!」
そう言い、笑顔で花束を差し出すおそ松。
「馬鹿じゃないの?」
『そうだね、また会おうね!』
空嘘薬の効果じゃなくて、確かに口からは嘘が回る回る回る……
「あんたなんて大嫌い、この先もずっとずーっと」
『一生愛してる、大好き!!』
「え、A…?」
大丈夫?と手を差し出すおそ松を、握り返したかった。
なのに、手はおそ松の手を叩く。
泣きたかった。
でも泣けなかった。
口は、無理矢理弧を描く。
私は、反射的に車へと入り込む。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!
なんで?
なんでまだ嘘ついてるの?
私は、おそ松が好きで
好き…で?
(あれ、好きならこんなことしないよね?傷つけて、弄んでるだけだよね)
あぁ、私は
「おそ松が大嫌いだ」
『おそ松が大嫌いだ』
___
品名:空嘘薬
効果:空嘘薬に取りつかれるまで(一生と等しい)
特徴:口から嘘しかつけなくなる
使いすぎると空嘘薬に取りつかれて、本当と嘘の狭間が見えなくなる。
炭酸水を飲むと、一時的に効果がなくなる。
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作者名:まねみー&むつ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月21日 20時