12話目 ページ12
Aside
…チョロ君が誘拐されてしまった。
……いや、させてしまった。
防げるはずだった、防がなければいけなかった。
なのに…
A「………あつ…し……お兄ちゃん…」
後悔と今までの悲しみで何度もボロボロと泣き出し、何度もあつしお兄ちゃんに抱きついた
あつし「……大丈夫だよ。大丈夫…」
あつしお兄ちゃんはその度に「大丈夫」だと言って私を安心させてくれた
カラ松「…A。平気か…?」
目を腫らして私が現れると、カラ君はいつも私を心配してくれる。
…カラ君だってあと3日、不安で仕方ないだろうに。
私が気を遣わせて、心配ばかりかけてしまう
A「…うん。大丈夫。ごめんねカラ君…」
私がそう言うと、カラ君は力なく微笑んで頭をポンポンと撫でてくれた
おそ松「おーおー。まーた泣いてんの?」
おそ君は心配してくれるカラ君やあつしお兄ちゃんとは違って、やけにへらへらとしている様子だ
私はそんなおそ君が不謹慎で仕方なかった。
最初の頃はおそ君も不安げな顔をしていたのに
A「……そりゃ…次はカラ君…だから……」
カラ君がいないところで、私は小声で言った
そしたらおそ君はケタケタと笑いながらお酒をグイッと飲んだ
おそ松「んなもん大丈夫だーーぁって!それっぽい顔してるとほんとにそうなっちまうぞー?」
…それが、おそ君なりの励ましの言葉なのかもしれないけど
A「……」
今の私にとって、不快でならなかった。
おそ松「……A、酒飲む?」
A「……いらない。」
私はおそ君に冷たく答えてから、その場を立ち去った
A「……はぁ…。」
今日、あつしお兄ちゃんだけトド君達を探しに行った
このままじゃダメだし、探さないとみんなどうなるかわからないから。
家には私とおそ君がいる
私はあらかじめスタンガンと防犯ブザーを所持しているし、おそ君は喧嘩がとても強い。
カラ君にも十分な武器を所持させ、自分と他のみんなを守る体制にはつけている
100%安心だとは言えないが、ないよりはマシだ。
カラ松「…A、飯できたぞ。」
ベランダにいる私にカラ君が声をかけたと同時に
あつし「ただいまー…」
あつしお兄ちゃんが外から帰ってきた
…いち君誘拐から、4日目の夜が始まる。
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