33、無償の愛 ページ33
「デブこじらせて死んじゃえ、みたいなこと言った。……この世はね、持ちつ持たれつで成り立ってる」
「うん」
「無償の愛なんかくそ食らえ。そんなもんあるわけない。貴方が幸せならそれでいいとかそんなの、そんな自分に酔ってるだけ、もしくは」
「……」
お味噌汁をすすって、ふ、って笑う。
「もしくは、そんな健気な私を愛して。ってＰＲ。それは無償の愛か？愛して？だよ？一番の贅沢だと思わない？」
「そうだね……」
「だからね、この世は等価交換なんだって。利用して、利用されて生きてる。会社は社員に労働の場所を与え金銭で契約し、おれらはその見返りに馬車馬のように働くってわけだ」
面倒くさそうに二宮が笑う。
「……」
「どちらかの比重が多いと不満を生じさせる。不満を持った方は、もっといい条件の地や人を探す。そうやって生きてる」
「うん」
「俺がこの部屋を出ていった理由もそうだし」
「……私の手料理より、彼女に対する愛情の比重が傾いたってことよね」
二宮が、私をじっと見た。
「そう思うなら、それでいいよ」
「うん」
「でもね、不満を持つのはいいよ。仕方ないよそれは。俺とAが釣り合わないって判断したんだったらきっとそう見えたんだろうし」
「うん」
「Aと自分を比べて、自分が上だと思ったんだろうな、傲慢な女」
「でも事実だよ、モテモテだもんあっちゃん」
二宮がケ、って笑う。
「あんな女を好きだって男はやりたいだけか、脳みそが残念な男だけ。あいつとピッタリじゃん釣り合ってる」
「酷いよ……」
「けど、死ねって言ったんだよ、あの女。この世にはね、死んでいい人間なんていないの！均等に生きる権利があるの！」
「うん」
「死んでいい人間は！人を殺す人間だけ！等価交換！でも、命は命で購えない！」
「……」
「Aが死ね？なんで？デブだから？それなら痩せりゃいいんでしょ！なんてね、ちょっとイラついて」
二宮が、あはって笑った。
「ついついAダイエット中だから、近いうちに君たちギャフンっていうよ？って言っちゃったんだよね、ごめん」
あんぐり。
「ゆるせなかったの、どうしてもね。Aなんて、ただ、美味しいものが好きで、一生懸命生きてるだけじゃん。どうして死ね？」
「……」
「Aにはね、生きて幸せになる権利があるんだから……それで、努力で掴み取ったんだからね。A偉かったよ。頑張ったね」
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卯奈(プロフ) - 関係ないけど私も今ニキビが顔に散らばって薬系のフェイスヲッシュを毎日使ったら結構肌がスベスベ近くなってきた!何事も続ける事って大切ですね！作品面白かったです。これからも頑張ってください、応援してます！( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年12月18日 23時) (
レス) id: 6ffb874e93 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - わぁぁぁ二宮さんの愛が駄々もれしている( *´艸`)二宮さんが健気で泣けてきました(笑)スッゴク素敵なお話ですね。心が癒されました(o^O^o)最後の表…とっても参考になりました＼(^o^)／ (2017年9月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
葉菜(プロフ) - よしのさん！私も155cmです笑！このお話のおかげでダイエット頑張れそうです！ツアーに向けて頑張ります！素敵なお話ありがとうございました！ (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4293a47db6 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 久しぶりに読みたくなってやって来ました！ヤッパリこのお話大好き(●´ω｀●)よしのさん、いつもステキなお話をありがとうございます！ (2016年8月8日 9時) (レス) id: 8bc936bcc1 (このIDを非表示/違反報告)
夢舞.。(プロフ) - ダイエット頑張れる気がしてきました ！笑 これからも応援してます ！！ (2016年4月22日 19時) (携帯から) (レス) id: e6a9fe8744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年9月10日 8時
