22、ふたつのお弁当 ページ22
お弁当二つ分を作って、会社に行く前に渡したら、二宮がちょっと笑いながら言った。
「お弁当、いらない」
「どうして？」
「彼女、コールセンターの子なんだよね、この弁当なにってなるでしょ？」
「じゃあ、返して……」
「櫻井さんにあげてみたら？きっと喜ぶよ。じゃあ、先行ってきます」
二宮がいつもどおり、電車一本早く出て行く。
毎朝一緒に出勤するのってちょっと怪しまれるよね、櫻井さんにみられても困るでしょ。
そう言って別々に出勤してた。
お弁当を見下ろして、ため息が出た。
今日、スコッチエッグだったのに。
仕方なくお弁当を二つ持って出勤する。
ランチの時間に、二宮をチラっとみたら、コールセンターの細くて可愛い女の子と一緒に部屋をでていくところが見えた。
あの子が新しい彼女かな。
かわいい。
細くて。
ひとりでお弁当を食べてたら、ひょいって櫻井さんが私を覗いた。
「いい匂いしたから。今日の弁当チェックさせてもらいます！」
ニコニコ。太陽みたいな笑顔。
「櫻井さんご飯食べました？」
「まだ。今ちょっと重要な案件で先方の電話まちなんだよね。はらへったー」
「もしよかったら、このお弁当、たべません？」
「……え？二人分？なんで？」
「二宮が作れって言ったのに、彼女とランチ行っちゃって」
「ひでーな！マジで？マジでいいの？」
そういいながら、二宮の椅子をずるずる引き摺って、私のよこに座った。
壁側に寄ってちょっと空間を作る。
「なんで逃げるの！」
「あ、狭いかなと思って。ただでさえ太ってるのに」
「別に太ってないでしょ？Aさんは、ぽっちゃりって感じだと俺は思うけど」
「……でも、二宮がデブデブって……」
「ひでーな！ガリガリで折れそうな子よりは、ボンキュッボンの子が……そんなことよりいただきます！」
もぐもぐ。
いきなり口いっぱいに放り込んだ！
「んんんんん！」
「えっ！」
「ううううう」
「ええ？え？」
「ばつぐんにうめえ」
口の中、ぱんぱんだよ！
「お茶どうぞ！」
水筒の麦茶をコップに入れて手渡す。
一気に飲み干して、今度は麦茶を、じー。
「麦茶まで旨いんだけど！」
「ああ、これ、美味しいからお気に入りで」
「え、このおにぎりなに！」
「シソと、おかかと刻んだたくあん」
「卵焼きの中になんか入ってる」
「ニラです」
「ナニソレ」
「驚きすぎですよ！」
「……これをいらないってアイツバカ」
櫻井さんが目をまんまるにした。
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卯奈(プロフ) - 関係ないけど私も今ニキビが顔に散らばって薬系のフェイスヲッシュを毎日使ったら結構肌がスベスベ近くなってきた!何事も続ける事って大切ですね！作品面白かったです。これからも頑張ってください、応援してます！( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年12月18日 23時) (
レス) id: 6ffb874e93 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - わぁぁぁ二宮さんの愛が駄々もれしている( *´艸`)二宮さんが健気で泣けてきました(笑)スッゴク素敵なお話ですね。心が癒されました(o^O^o)最後の表…とっても参考になりました＼(^o^)／ (2017年9月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
葉菜(プロフ) - よしのさん！私も155cmです笑！このお話のおかげでダイエット頑張れそうです！ツアーに向けて頑張ります！素敵なお話ありがとうございました！ (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4293a47db6 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 久しぶりに読みたくなってやって来ました！ヤッパリこのお話大好き(●´ω｀●)よしのさん、いつもステキなお話をありがとうございます！ (2016年8月8日 9時) (レス) id: 8bc936bcc1 (このIDを非表示/違反報告)
夢舞.。(プロフ) - ダイエット頑張れる気がしてきました ！笑 これからも応援してます ！！ (2016年4月22日 19時) (携帯から) (レス) id: e6a9fe8744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作成日時：2014年9月10日 8時
