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「はぁー……」
Aが大きくため息を吐いた。
「なんだよため息ついて」
「彼氏が櫻井くんだったら良かったのに……そういう意味じゃなくて……」
飲もうとしたお茶を吹き出しそうになった！
は？
ちょっと待て？何言ってんの？
俺が彼氏？
そういう意味じゃなく？ハ？
「いやちょっとまって？そういう意味じゃなくてってどういう意味だよハア？」
「私彼氏のことが嫌いみたい」
Aの言葉に完全に動揺した。
彼氏のことが嫌いってスゲーパワーワードだな、最愛の人だから付き合ってるはずの彼氏のことが嫌いである、ってなんだその方程式。
詳しく聞かせろ。でもここじゃだめだ！
「いやいやちょっと待って？まじ待って、ここじゃ駄目だこの話！ここ飲み屋じゃない！」
「じゃあもういいや」
「は？」
「おまたせしました！」
担当さんが戻ってきた！
え？いま帰ってくんの？タイミング悪う！
ヘナヘナと力が抜けた。
そんな俺を見てAがフン、と鼻で笑った。
鼻で笑ったなこのやろう。
「じゃあさっきの続きから参りましょうか、ここの配色なんですけど」
Aがニッコリ笑ってそう言った。
俺も慌てて切り替える。
「ブラックですと……高級感でスタイリッシュなイメージになりますが、どこか他者を拒否するようなプライドの高さも出てしまいます、例えばこちらは、」
俺が話し出すとAは小さく息を吐いた。
うん、具合悪そう。
打ち合わせは順調に進んで、3時間位かかるところを1時間で終わった。
っていうか終わらせた。
『あとの細かいところはお願いできますか？お任せしたほうが良いものが出来そうだ』という言葉をぶん取ったらあとは早い。
次にある程度できたものを持って来ますので、その際に細かいところを決めましょう、というと賛成してくれた。
「では失礼します」
「よろしくお願いします」
「はい、おまかせください、またご連絡いたしますので、何かありましたら……」
「いえいえ、信頼してますので」
「恐縮です」
みたいな会話でペコペコ頭を下げてサクラ商事を出る。
駅に向かって歩き出したら、サクラ商事が見えなくなった頃にAがポツリと言った。
「さすがですね櫻井さん」
「こちらのセリフですよAさん」
Aの呼吸が少し浅い。顔色は化粧でごまかしてるけど、呼吸数とか潤んだ目、声の出し方歩き方にいつもの覇気がない。
腕に捕まる？と言いたいけど彼氏でもないのに……あ！そうだ！彼氏の話！
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あーり(プロフ) - 彼サイドとても嬉しいです。あの時の行動にそんな思いがあったのか！とドキドキしながら読ませていただいています。これからの更新も楽しみにしています！ (2021年3月6日 23時) (
レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
ささたく(プロフ) - 強く賢い女性、きっと彼も好きなのでしょう。でも。雑ではあるけど元カノの気持ちも理解できるかなあと。主人公の聡明さを重く感じる男性もいそうですよね。恋の道は難しい！次回も楽しみにしています！ (2021年2月28日 17時) (レス) id: 0cad052d81 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - おはようございます。やばい。と無理。しか言ってない(という印象ww)櫻井くん堪らない(泣)好き(泣)次の更新は違う意味でﾊﾗﾊﾗするの分かっていても楽しみにしてます！もう1回読んでこよう♪ (2021年2月26日 10時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 待ってました！待ってましたとも！しょっしょっしょうさーーーん！やべえ！なんだこれ！って心の呟きが全てリアルボイスで再現されててニマニマ読んでました！ヒロインちゃんが葛藤していた時に翔さん脳内はずっとやっべ！やっべ！ってお花畑だったんですね♪堪らん！ (2021年2月26日 9時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！この時の翔くんはこんな気持ちだったんですね…！幸せそうな様子にこちらまで幸せな気持ちになりました。 (2021年2月26日 4時) (レス) id: fe478f12ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
