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Aの最寄り駅についた。
家まで着いて行くのはさすがに過保護すぎる気がして歯止めがかかった。
「家の人、迎えに来れない？」
「電話してみる」
「うん」
Aが素直に言うことを聞いて、お母さんと連絡が取れたみたいでホッとした。
「じゃあ、俺帰る」
「ありがと……」
「あは、じゃあ、また明日！」
ブンブン手を振ったら、Aはいつまでもいつまでも俺を見送っていた。
視線も表情も見えないけど、ずっとこっちを見ていた。
彼氏にもそうやって、ずーっと見送るの？
彼氏はそれに気づいてるのかな。
付き合ってるのに想いが一方通行なのって、幸せなのかなぁ？
10年以上の付き合いで、そんなことある？
もしかして彼の愛が冷めたとか？
それともずっとそんな扱いだった？
会ったこともない、なんならつい昨日くらいまで、実在の人物として扱ってなかったAの彼氏の存在がやけに気になってる。
そういえば俺はAのことよく知ってるけど、Aの恋愛辺歴というか、好みのタイプとかは何にも知らない。
俺も言ったことなかったし、仲良くなってしばらくして、お互いそういう恋愛の込み入った話はやめたほうがいいと悟った。
理由はなんだっけ？
ああ、そうだ。
入社して3年目くらいの時に、結構ガチトーンで俺を好きだという子が現れた、あのときか。
その時、俺とAは同じ部署で、例の合コンのこともあったしかなり仲良くなっていた。
それを知っていたその彼女は、Aに逆恨みをするようになっていた。
陰口や仲間はずれといった陰湿な。
嫉妬心とはなんと醜いことか。
それに全く動じなかったAに、その子はとうとう正面突破してきた。
彼女でもないのに櫻井くんとベタベタしないで、といったのを目撃したのだ。
その時のAの顔が今でも忘れられない。
「こっちこそ、あなたは櫻井くんの彼女でもないのに指図される謂れはない」
ピシャリと跳ね除けた。
気持ちいい、と思ったのも束の間。
「私は櫻井くんなんて男として全然興味ないし、恋愛感情抱くどころか、異性としても見たことないわ」
と宣った。
異性としても見たことない、だと？
あっそうですか。
そうでしょうね。
しかしこんなことになってたとは。
告白もされてないのに断るのもなぁと思って見てみぬふりしてたのも限界か。
そろそろちゃんと断らなきゃ。
はぁ。
ため息を吐きながら、二人のもとに歩いていく。
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あーり(プロフ) - 彼サイドとても嬉しいです。あの時の行動にそんな思いがあったのか！とドキドキしながら読ませていただいています。これからの更新も楽しみにしています！ (2021年3月6日 23時) (
レス) id: 55a75ee2ee (このIDを非表示/違反報告)
ささたく(プロフ) - 強く賢い女性、きっと彼も好きなのでしょう。でも。雑ではあるけど元カノの気持ちも理解できるかなあと。主人公の聡明さを重く感じる男性もいそうですよね。恋の道は難しい！次回も楽しみにしています！ (2021年2月28日 17時) (レス) id: 0cad052d81 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - おはようございます。やばい。と無理。しか言ってない(という印象ww)櫻井くん堪らない(泣)好き(泣)次の更新は違う意味でﾊﾗﾊﾗするの分かっていても楽しみにしてます！もう1回読んでこよう♪ (2021年2月26日 10時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
コズ(プロフ) - 待ってました！待ってましたとも！しょっしょっしょうさーーーん！やべえ！なんだこれ！って心の呟きが全てリアルボイスで再現されててニマニマ読んでました！ヒロインちゃんが葛藤していた時に翔さん脳内はずっとやっべ！やっべ！ってお花畑だったんですね♪堪らん！ (2021年2月26日 9時) (レス) id: b75159ca86 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！この時の翔くんはこんな気持ちだったんですね…！幸せそうな様子にこちらまで幸せな気持ちになりました。 (2021年2月26日 4時) (レス) id: fe478f12ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月18日 0時
