嫌われた王子 ページ10
もう知らない。行こ。
無視して歩き出す。
「待ってよA」
「……」
「そんな怒らなくていいじゃん……」
「……あ、鍵返す」
私が鍵を取り出したら、櫻井さんが悲しい顔で鍵を受け取った。
「……合鍵と交換する？」
「マジでぶっ殺す」
ものすごい低くて小声だったのにはっきり聞こえたようだ。
「ねぇ、そんな嫌？」
「……」
「俺のことそんな無理？」
「そういう意味じゃなく！櫻井さんが嘘つきだから嫌なんです！」
櫻井さんが一瞬黙って、すごい小声でぼそっと呟く。
「……嘘つきってことならAだけにはゼッテー言われたくねー」
「なんか言いました？」
むむむ。
拗ねてる櫻井さんが可愛いのほんと許せない。
「でもさ！」
「……」
「可愛かったから仕方ねーじゃん……本能的とか衝動的とかさぁ、つい感情が理性を上回るときってない？」
「可愛かったら誰でもあんなことするの？」
ちょっと睨む。
櫻井さんがデレッとした。
「怒ってても可愛いな！」
「ばかー！」
「もう何してても可愛い、この気持ちなんだと思う？もしかして恋？」
「知らない！」
「……毎日会いたいし毎日話したいんだけどこれって恋？」
「知らない！ばかー！」
「A……冷たい……」
「どこまで本気で言ってんの？」
「80%くらい？」
「残りの20%は何！冗談でーすって？」
「あ、うそうそ！200%本気！」
もう！しらない！
絶対ふざけてる！
「櫻井さん嫌い！」
「えー！」
走って逃げることにした。
櫻井さんは、その場で立ち竦んで、がくーって落ち込んでる姿をちらっと見た。
あーもう。
腹が立つー！
イライラしながら会社に行って、あれれ？麻倉さんちょっと機嫌悪いな？って部長が不安そうな顔をした。
いかん。切り替えろ、
私はハードボイルド！
自分の感情を無視して俯瞰で生きる女！
お昼少し前、中西さんが近づいてきた。
「麻倉ちゃん、悪いんだけど、これラボの中の部長に届けてくれない？今ラボのパスワード知ってるの麻倉ちゃんだけだって言われてさ」
「はい」
おい部長。
私が知ってるってこと人に言うなよ。
ニコニコしながら立ち上がってラボに向かう。
ラボの前でパスワードを入力しようとした時。
……視線。
近くに人はいない。
企画部から誰かが私を見てる？
あんな遠くから見てもパスワード見えないのに？
企画部に背を向けるようにして、パスワードを入力した。
……なんか、嫌な感じ。
気をつけなきゃ。
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
