王子の恋？(02/18) ページ9
飲んでも気持ちよくならないのに二日酔いという地獄のような時間を過ごした土日。
明日会えますか？とかいうメッセージを既読スルーしたまま、未読も20通位たまってる。
櫻井さんも少しは悩めばいいのよ！
スパイなんてほんとどーでもいい！という気持ちになってきた。
でもそっか、もうサクラグループの契約更新しなきゃいいんだ。
でもそしたらもう会わないんだ。
そういや私、一人で生きていくんだった。
だって王子様は迎えに来ない。
王子を育成したいと思ったけどそれも正直無理そうだ。
けどハードボイルド女として一生嘘ついて生きていくのなんて絶対無理だ。
想像しただけで吐きそう。
ああ、私。生きていくの下手くそすぎる。
優しくて可愛くて明るくて、余計なこと言わない、人を罵ったりしない、人を嫌っても嫌われても気づかないふりができる。
そんな天使みたいな女の子になりたかった。
──そんなこんなで。
憂鬱すぎる月曜の朝が来た。
駅についたら、櫻井さんが捨てられた子犬みたいな顔で私のことを待ってるのを速攻で見つけた。
なんなら櫻井さん以外はピンボケに見えるくらい櫻井さんをすぐに見つけた。
恋じゃん。
櫻井さんもこんなたくさん改札から出てきてるのに私をすぐに見つけた。
恋かよ。
「A……」
なんでそんな悲しそうな顔してんだ。
いや、私も悲しそうな顔してる。自覚ある。
すたすた。
立ち止まらずに歩き出す。
「ねぇ、A」
「話しかけないで」
「A、ごめん、ほんっとごめん」
「……」
「つい……可愛くて……ほんとごめん……」
可愛くてっ？
マジで言ってんのかな！
目があった。
これは嘘ついてない目だけど基本嘘つきだもんなこの人。
「怒ってるよな……？」
「……」
「怒るよな、手出さないって約束したのに」
ちょっと周りに聞こえるじゃないの！その話やめてもらっていいですかね？
という気持ちを込めてジロッと睨んだら櫻井さんが、わ、ってトホホな顔をした。
「だってほんとに……わーいって言ったときのA、マジで、本当にマジですっげえ可愛かったんだぞ？」
「……」
「ほっぺ赤くて目がうるうるしててなんかいいにおいしてて、両手広げて俺に大好き！って顔してんだぞ？」
「それは！シャンパンが好きだから！」
「クリュッグもあったのに……」
「……焼酎よりそっち先に出してよ！」
「あ、やっぱり？」
櫻井さんがどうでもいいことを話してきて余計腹が立ってきた！
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いろは(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！TwitterのフォローをさせてもらったのですがDMが送れずこちらから送らせてもらいます。SUZUIROというアカウント名です！ (10月5日 20時) (
レス) @page47 id: 7b03d9df09 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 完結、おめでとうございます！よしのさんのお話はいつも楽しく読ませていただいています！ (2020年3月25日 20時) (レス) id: 29ae961861 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - よしのさん、こんにちは！とにかく、とにかーく面白かった！一気読みしました！久しぶりに朝方まで（徹夜に近い）読んでいました。もう本当に読むのが楽しいってこういうことなんだって思いました！ (2020年3月10日 11時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - おもしろかったー！一気に読みました！読後感がスカッと爽やか(^O^) ありがとうございました！ (2020年3月1日 9時) (レス) id: f390aacf74 (このIDを非表示/違反報告)
mikoto020707(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしてました。終わってとても寂しいです。両思いになってからも櫻井さんが振り回される続きが読みたいです。よろしくお願いします。 (2020年2月27日 9時) (レス) id: 285ed8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月11日 8時
