王子の動向 ページ9
翌朝。
今度は私が櫻井さんを探してみた。
電車を降りて、櫻井さんを探す。
ホームでは見つけられなかった。
入れ違いかしら。
改札を出てキョロキョロしてたら、櫻井さんが後ろから私の背中をポンと叩いてギョッとした。
「おはよ、……どうしたの？誰か探してる？」
「同じ電車でした？探したけどいなくて……」
「ああ、……俺電車乗ってないよ？」
櫻井さんが事も無げにそういった。
「じゃあなんで駅に……」
「俺の家、駅の近くで、駅を通って仕事に……」
「……」
私の不審な顔を見て櫻井さんは慌てた。
「あ、あの！毎朝スタバでラテ飲んでから仕事行くのが日課でさ！」
会社の一階にもコーヒー屋さんあるのに？
わざわざ駅内のスタバで？
私が益々疑惑の目を向けたら櫻井さんが悲しそうな顔をした。
「スタバで……あの席で……ほら今ちょうど眼鏡の男の子が座ってる席」
櫻井さんが指を刺す。
確かにあの席からはここがよく見える。
「あそこから……新聞読みながらうちの会社に出勤する人を眺めてました……妙な趣味ですみません……」
「……櫻井さん聞きましたよ」
「何を?」
慌てる櫻井さん。可愛い。
「サクラグループの御曹司なんですよね」
「御曹司なんてそんなそんな！」
手をブンブン振って否定してる。
「おうち……あの……ご邸宅ですよね……？」
会社の裏側の山手にある、お城か要塞かというくらいの大きな家。
櫻井さんがそっちの方を見て私を見下ろした。
「俺は独り暮らししてる」
「なぜ！お屋敷には執事とかメイドとかいるんですよね？」
「執事とコックはいるけどメイドはいないよ」
真顔で否定された。執事とコックはいるんだ。
「じゃあなんで独り暮らしを」
「……うちの親父大事に育てられすぎて世間知らずなことに俺の母親が困って……俺はそうならないように俺を家から追い出して……」
「……」
「あの……こういう込み入った話するなら今日の夜ご飯とか行きません?」
サラッと誘われた。
「あ、やめときます」
「なんでっ？嫌？」
櫻井さんがめちゃくちゃびっくりした。
断られたの初めてなのかも。
それくらい驚いてる。
「もっと誘ってほしそうにしてる方たくさんいると思うのでその子を誘ってあげてください、私と話してもつまらないですよ」
「振られた……」
がくーっと落ち込んでる。嘘でしょ。
「あの……」
「彼氏いるの？だから無理なの？」
櫻井さんがジトっと私を見た。
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susakinyanko(プロフ) - 駅前のハトがツボ過ぎます。死ぬかと思った笑 (12月15日 15時) (
レス) @page41 id: 9ec95cf02d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 面白い！眠気がとんだよー！よしのさん好き(^^) (2020年1月30日 10時) (レス) id: 12e1cc5b48 (このIDを非表示/違反報告)
花乃(プロフ) - こんにちは。やっぱりよしのさんのお話好きだー！！と叫ばせていただきます(*´∇｀*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 95a7b7882e (このIDを非表示/違反報告)
ちこ(プロフ) - こんにちは。よしのさんの新作ですね。ゴルゴの回まで一気読みしてしまいました。とっても楽しいです！更新楽しみにしています。 (2020年1月16日 16時) (レス) id: c3adc4cd0a (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - もう、さすがの一言です。やっぱり面白すぎます！最高です！ (2020年1月16日 1時) (レス) id: 586c2240fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年1月6日 0時
