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櫻井くんが、大きな目をくるん、と見開いた。
慌てて手で口元を隠すようにして、ぶふ、って吹き出す。
「……？」
「俺がいつもお前来るの見てたのバレた？」
「え……」
え？え？
ど、どういう意味だろう！
櫻井くんが恥ずかしそうに言葉を続けた。
「……お姉さんは8時前に着いてんのに、お前ギリギリだよね」
ああ、そういうことか。
そういうことだ。
「お姉ちゃんがいってきます、って言ってから用意始めるの、わたし」
「そんなとこだと思った！」
櫻井くんがあはは！って笑った。
私の小さな絶望なんか知らずに笑った。
「お姉さん見習えよ、髪跳ねてるぞお前」
櫻井くんが、どうしても直らない私の耳の横の髪を指差した。
「お姉ちゃんと違って私ちょっとだけクセがあるんだも……」
「そうなんだ」
「気にしてるのに……結んじゃお……」
持ってきていたシュシュで髪を一つにまとめて、下の方でお団子にした。
それをぼおっと櫻井くんが眺めてて、ん？って目が合ったら、はは、と小さく笑う。
「でも……よかったよ」
「うん」
「頑張れよ」
「うん！あ、今度舞台あったら見に来て！」
「やだよ！アレでしょ？レオタード？っての？水着みたいなの着て踊るんでしょ？それを見に行くの？やだよ！」
「えろい目でみないでー！芸術だよ？」
「無理無理、俺見てる方が恥ずかしい」
「どーゆーいみよ！」
肩をぽん、と叩いたら、いてー！って大げさに痛がった。
私のんもー！って怒ってる顔を見て、ふ、と力を抜いたみたいな笑顔を見せる。
「自分のこと、好きになれよ」
「うん」
「そしたら……」
「ん？」
「……なんでもない」
櫻井くんが苦笑いした。
なんだろう？
ねむー、って言いながら首をグルンと回してる横顔。
「櫻井くん、毎朝、朝練してるの？」
「うん、顧問厳しーんだよね……」
「そうなんだ」
櫻井くんがうーん、って伸びをして、あは、って笑った。
キラキラがこぼれ落ちていくような笑顔。
私達が話してるのを二宮くんがニヤニヤニヤニヤ見てる。
櫻井くん越しに二宮くんをジロッとみたら、櫻井くんが振り向いた。
「仲いいねぇ、Aと翔ちゃん」
二宮くんがニヤニヤ言ってきた。
「え」
櫻井くんが、私の方を見て困った顔をした。
困ってる。
「仲良くない！」
「仲いいのはお前らの方じゃん」
櫻井くんが私と二宮くんに、そう言った。
「えぇ？」
「はぁ？」
二宮くんと、声が揃った。
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はな(プロフ) - この作品でよしのさんと出会い最近も読み返し泣いて胸キュンして大好きな作品です！続編はないとの事、、戯言ですがもし、もしも気が向けば少しだけでも二人のその後の世界覗けたら嬉しかったり、、我儘言いましたが今年もよしのさんの作品読めるの幸せです！ (2020年8月31日 20時) (
レス) id: c8836e9fa0 (このIDを非表示/違反報告)
空。(プロフ) - 姉は居ないのですが、唯一頑張っていたバレエを高校受験を機に離れてしまって今自分には何ができるんだろうとか、もう自分の存在事態が嫌いって思うことが夢主と被りすぎてて涙止まりません。勝手ですがありがとうございます。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: 1f83f5eb6f (このIDを非表示/違反報告)
しょー(プロフ) - 私も姉がなんでもできて比べられているので感情移入が半端ないです (2019年1月6日 15時) (レス) id: 0cc5b4bdf5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビみん(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませていただいてます。毎回内容が設定など素敵でよしのさんの作品に引き込まれます。読むたびに胸がヒリヒリしながら読んでます。笑笑 これからも更新頑張ってください！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: 2f337fdee2 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - 胸がギュッとなって、まとめて初めから読み直してまた泣いて。あーせつない。よしのさんのお話、今年も読めるのを楽しみにしてます。 (2019年1月4日 11時) (レス) id: ad777ddf20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年12月20日 17時
