〇≠無の証明Ⅳ－１ (ページ9)

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「まず、今心の中で話してた二人は、櫻井と東城、人の心がざっくり読めるらしい、俺にはわかんない」
大野さんが、めんどくさそうにメンバー紹介を始めた。

「んで、発信できるけど受信できないって言われたのが二宮、みんなニノって呼んでる。ニノは除霊担当、けどおばけは見えない」
「……なんか半人前みたいな言い方」

二宮さんがちょっとむくれた。可愛い。

「つぎ。彼は人の心とかを色で見てる相葉ちゃんね。人だけじゃなくて霊とかも色で見えてるからまぁ、薄ぼんやり色々見える」
「薄ぼんやり」

相葉さんがフフフって笑う。

「で、次松本。松潤って呼ばれてる。彼はね、霊がはっきり見えてる」
「えっ」
中間さんがすごい勢いで松本さんを見た。

「どうも」
「それは……便利ですね」
「便利ですか？」

松本さんがくすくす笑ってる。

「だって、あの鎌持って追っかけてくるやつが霊か人間か見分けることできるわけでしょ」
「みんなが見えてるんなら人間じゃないの？」
「……あ……えっ？」
「え？」

中間さんがガーンって顔をした。
「じゃあ、鏡越しに目があったら消える人は」
「皆が見えるんなら人間かな」
「……消えるナースは？」
「中間さんは見える人なの？」
「わかんないから怖いんです！怖がってたら捜査にならないのに恥ずかしいのですが」
「中間さん？」
「はい」
松本さんがフフ、と笑った。

「中間さんは人間が怖いですか？」
「いえ、特に……」
「僕は人間のほうが怖いです。特に廃病院の暗闇にじっと立ってる人間は普通に怖いです、凶器もってたら更に怖いです」
「……」
「けどここで一緒に座ってお茶飲んでる可愛い女の子の霊がいてもあんまり怖くないですよね？」
「……まぁ、そうですね」
「そういうことです、中間さんが怖いのは当然ですし、僕も怖いです。でも一緒に原因探ってなんとか解決できるように頑張りましょう」

松本さんが微笑んで、頭がクラクラした。
カッコイイ。

「えー、オホン」
櫻井さんの咳払い。

……あ、うるさかった？ごめん。
……いや、俺もかっこいいと思ったからオッケ。
……思ったよね？
……思った。

にやりと笑って頷き合ってたら、中間さんがブフ！と吹き出した。
そうだ、聞こえてるんだった。

「で、俺が大野です、霊に嫌われてるみたいってだけで何の役にも立たないけど、まぁ、寄ってこないから便利に使ってくれていいよ」

中間さんがホッとしたように笑った。