ょ ページ11
「うわ！うそ！なんで！」
「あ、相葉さん遅いよ」
二宮くんが蕩けそうな顔で相葉くんを見た。
デレデレしてる。
「ごめんごめん！」
「遅いからAと色々話しちゃったよ」
「……えっと」
「ん？」
「仲良くなってる……」
「うん。おれら、もう秘密を共有した仲なの、ね？」
二宮くんが私を見てニッコリ微笑んだ。
「そうなの？」
相葉くんが私を見た。
「うん、仲良くなった、のかな？」
「もう、お友達」
「そっか、……良かった」
相葉くんが納得行かないような顔で、私達の前に座った。
「並んで座ってるけど……」
「ああ、今、パースを見せてもらってて」
「Aちゃんの、ここから入ってこないでー！ってのもう突破してるんだニノ」
「パーソナルエリア？」
「それそれ」
二宮くんを見たら、二宮くんが相葉くんを大好きーって顔で見た。
……もしかして。
もしかして。
「じゃ、とりあえず、打ち合わせから……」
「ん」
二宮くんが幸せそうにパースを眺めた。
「二宮くん……」
「ん？」
「やっぱり……何もない……」
「変なの」
私を見て、二宮くんが相葉くんを見た。
なんとも言えない、穏やかな表情。
「……」
もしかして、もしかして。
叶わぬ恋の相手は……もしかして。
やば。
胸がギューって苦しい。
だって相葉くんは生粋の女の子好き。
可愛くて明るい女の子が大好きっていつも飲み会なんかで言ってるし。
それはもう4年一緒に仕事してるんだから嫌ってほどわかってる。
これは、絶望的だ。
こないだ後輩が、相葉くんに大切な女がいるからごめんってふられてたし。
「Aちゃん？具合悪い？」
相葉くんが私を困ったような顔で見た。
「平気！じゃあ阿羅々市の市役所に行くのは二宮くんと相葉くんってことね？」
「翔ちゃんは新しいやつに取り掛かってるから忙しいんだって。早く芹香さん追い抜いて結婚しなきゃだからねー」
「どういうこと？」
「芹香さんの役職追い抜いて結婚するんだって」
「……」
「あー、芹香ファンクラブも解散だよなぁ……」
「ファンクラブ？そんなのあるの？」
ちょっと笑って言ったら、うん、って相葉くんが笑う。
「会員番号一番翔ちゃん、二番俺、三番ニノ、四番風間、なんだけど一番と芹香さんがくっつくなんてファンクラブ解散だよ！」
「三番目、二宮くんなの？」
「俺は相葉さんに無理矢理入れられたの！」
やっぱり幸せそうに、相葉くんを見て笑った。
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月17日 4時
