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「女ってこえー……」
後日。
TEAM零の面々は報告書をまとめながら、櫻井さんがそう言った。
「女とひと括りにするのやめてもらえます？」
「そうよ！」
先日留守にしていた事務のお母さんの花子さんがお茶を入れながらそう頷いた。
御年50代半ば。
紅一点と思っていたら、事務員さんがいた。
いたりいなかったりするけど。
ちょっと気が楽になる。
「だってさぁ、息子ほど年の離れた男に、殺したいほど好きになったりすんの？花子さん！」
「するよ！……ね？松本くん」
花子さんが、じー。
「え、なに？やめて？」
松本さんが逃げ腰。
「松本くーん」
「やめて！ごめんなさい！」
皆が笑ってる中、
大野さんはやっぱりうたた寝。
係長だから誰も何も言えない。
二宮さんはカタカタなにかやってるから何やってんだろうと覗いたらゲームしていた。
嘘でしょ。
ものすごく真剣な顔してる。
相葉さんは鼻唄歌いながら、棒付きのキャンデーを口に含んで、猫みたいに何かを目で追って、ちょっと微笑んだりしてる。
光がたくさん飛んでるらしい。
くるくる円を描いて、いきなりポトン、と落ちたりするのが可愛いの。って。
「実際さ、自'殺教唆罪が適用されたのって一件だけ。犀東さんは今、方瀬川と同棲することになって霊障がなくなって訴えを取り下げたし」
「うん」
「その前のやつは、元々精神的に病んでる人だったから、死ねって言うだけで脆くも壊れたわけだし」
「……その前の人は、」
「その前の人は、霊の仕業じゃなくて普通にストーキングしてたみたいだしね、家が荒らされてる、死ね、というファックスが流れる、電話で死ね死ね死ねって言われるとか、そういう」
櫻井さんがため息を吐く。
「その前の、つまり最初の彼女の死で落ち込んだ方瀬川を慰めてるうちにさ、抱きしめたり？まぁそういうので味をしめたんだろうな」
「味をしめた」
「可哀想にってあの巨乳に顔をぎゅーっておしつけたりしたんだな。当時彼女は40歳の人妻……彼は20歳の学生……イケるな……」
「何言ってんの」
「例えばの話だ！」
櫻井さんは思ったことを隠さず口に出すようになったのが皆おかしくてずっと肩を揺らしてる。
櫻井、ムッツリスケベ！って私に言われたのが堪えたようで。
「住居侵入とか死ねって唆したりつきまといとかさ、結局恐らく執行猶予付きの、懲役6ヶ月以上7年以下になるだろ」
「うん」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2015年7月15日 20時
