15.雪月花#大量更新期間中 ページ18
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亜簾の連れ、若葉は東雲楼に足を運んだ。亜簾は外で待たされている。
「すみません、淀屋の者なんですがここに忘れ物
したようで…」
番頭に若葉は申し付けると、にっこりと笑みを浮かべ見世の奥に入っていった。若葉はよく分からず待っていることにしていた。
しばらくすると、奥から内儀がいい笑顔で迎えた。
「若旦那の連れの方ですね、お預かりしとりますよ」
また、数分待った。すると、眉を八の字に困った表情をした内儀が出てきた。内儀は手ぶらだった。
「ほんにすみまへん、百合音が持っているようでございます。
ですが、今百合音は出ていまして…」
若葉は戸惑った。好き好んでここは行きたいところではないから、また来るのは気が引けるし、きっと次は1人で行くことになる。帰ろうか、もう諦めようか。
「アンタ、亜簾様の連れでありんすか」
内儀の背後から低くも色気を含んだ声が掛けられる。Aだ。
「あら、華永野さん__様はどうしたんだい?」
「金子の払えない客の相手はしんせん」
何食わぬ顔でAは客を振ったことを内儀に伝える。若葉は、自分の主。亜簾もこの人に弄ばれていたのか、と嫌悪感を抱いた。Aは気にも止めずに、若葉に話し掛ける。
「わっちの座敷に置いてありんす、ついてきなんし」
Aは妖艶な微笑みを見せると、踵を返して座敷へと歩き出した。若葉は仕方なく、Aの後を追って行った。
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Ria。(プロフ) - 初めて見たのですが、、ッ好きすぎます。尊すぎます。こんな尊い小説があってもよろしいのでしょうか。ええ、もちろんあってよろしいです。この素晴らしい小説に出会えて良かったです!! (2022年4月29日 18時) (レス) @page46 id: 6d33a476b4 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 藤雲ルアリナさん» あああ!お喜ばれる小説を書けていたようでとても嬉しいです!やる気でますね……頑張りますね! (2020年4月8日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
藤雲ルアリナ - 世界観、空気、文体、ストーリー、もう何もかも好みです!毎回更新楽しみにしてます! (2020年4月8日 0時) (レス) id: 3165ea2c89 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 氷浦メグさん» ひえぇっありがとうございます泣 これからも暇潰しにでも覗きに来てください… (2020年3月13日 17時) (レス) id: 54569fedb3 (このIDを非表示/違反報告)
氷浦メグ(プロフ) - 初見です。尊いですありがとうございます! (2020年3月13日 13時) (レス) id: 3357bae399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年2月16日 22時