Will you Marry me? (ページ43)

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実家に着いて、玄関を開けようとすると、和くんに手を掴まれる

『どうしたの？』

「最後に一言だけ言っていい？」

『うん、いいよ』

やっぱり嫌になっちゃったのかな？

「俺いま人生で1番緊張してる」

『うん』

「・・・それだけ。はい、開けていいよ」

和くんの気が変わらない内にっと扉を開ける

『ただいまー』

誰もいない玄関から声をかける

「予想はしてたけど、広い家だな」

『う～ん、家族だけじゃなくって、お弟子さんが毎日家に来るからね。ここでお稽古したりするから』

「ふぅん」

スリッパを出してリビングに向かって2,3歩歩きだすと、ちょうどリビングの方から隆行くんが出てきた。

隆行「あ！お久しぶりです、二宮さん」

「お久しぶりです。今日はお忙しい中、お時間を取ってもらって」

隆行「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。こちらへどうぞ」

隆行くんが案内したのはリビングではなく、和室だった

『ここ？』

隆行「お兄さんがここの方が良いだろうって。今、みんな呼んでくるから。二宮さん、どうぞ楽にして、座って待っててください。」

「ありがとうございます」

2人で並んで座っていると和くんはやっぱり落ち着かないのか、そわそわしてる

「すげぇな、家にこんな広い和室あんのかよ」

何と返せば良いのか悩む感想を言われて返事に困ってしまう

生まれてから、ずっとこの家で育ったから。

小学生の時に友だちの家に行くまで、自分の家が平均より広いんだと自覚した事がなかった。

「こんな広い和室欲しいと思うの？やっぱ」

『和くんちのソファが1番落ち着くよ』

「・・・良い女だね、A」

雅行「来て頂いたのにお待たせして申し訳ありません。」

お兄ちゃん達とお母さんが入って来た

「いえ。こちらこそ忙しい中時間を取って頂いて、ありがとうございます」

和くんはサッと立ち上がって頭を下げてくれる

雅行くんたち3人と向かい合う形で、座り直す。

しーんとした静かな空気で、家族なのにこんな空気になったのは、病院でお父さんが危篤状態になった時以来だと頭の片隅で考えた

「本来なら、もっと早くに挨拶に伺うべきだったのですが、申し訳ありません。」

隣に座る和くんから話初めて、全員の視線が彼に向けられるのが分かった。