Will you Marry me? (ページ42)

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和くんは言葉通り、本当にわたしを自分の家族に紹介してくれた。

和くんの御両親は少し驚いていたけど、笑顔で「和也をよろしくお願いします」と言ってくれた。お姉さんは「本当に和也でいいの？」と何度も聞かれて、和くんが「しつこい」とちょっと不機嫌になっちゃったり・・・

・・・会ってる間はかなり緊張して、自分が息をしてたかどうかも覚えてないぐらい

帰りの車の中で、和くんが楽しそうに笑ってる。

「すごい緊張してたじゃん、A」

『それは緊張するよ、当たり前でしょ？』

和くんは自分の実家に行くから緊張してないだけ

「緊張してるAなんか見た事ないから、見てて面白かった」

『映画で5ページの長セリフより緊張したもん』

「そんなに？」

またケラケラと笑い出す・・・もう！

「でも、今度は俺が緊張する番だな。

あ～、やだ」

『緊張するの？』

「そりゃ緊張するよ！」

和くんは緊張なんかしない人だと思ってたなぁ

ドラマや映画の撮影で難しい注文を監督にされても、「分かりました」とサラっとこなしちゃうから

「あーあー、お前なんかに娘はやらないとか言われたら、俺どうしよ？」

『そんな事言われないよ。言いそうだったお父さんがいないから、大丈夫』

「いやぁ、ハードルは高いと思うよ、俺は。」

『そんな事ないから大丈夫！』

「もし家族に結婚するなって言われても、俺と結婚してくれる？」

笑顔が消えて、和くんが急に真顔になる。

『絶対に和くんと結婚する』

「ありがと」

和くんがハンドルから左手を離して、ゆっくりと手を絡め合う

なぜかお互いに少し恥ずかしくなっちゃって、目は合わさなかったけど

今繋がれているこの手のぬくもりさえあればこの先きっと生きていけるとそう思う。

「おかしくない？大丈夫？」

『大丈夫だよ、どこもおかしくない。かっこいいよ？』

「ちゃんと真面目に見ろって」

『真面目に見てるよ！どこも変じゃないよ』

今日の和くんは面白い。

夕方までの仕事を終えて、わたしの実家に挨拶に行く日

帰って来てからバタバタとシャワーを浴びて、スーツに着替えた和くんは、もう何度も鏡で確認したのに、まだ「俺、大丈夫？」と確認してくる

『わざわざスーツじゃなくても良いのに』

「はぁ？こういう時はスーツ着るって決まってんだよ。常識よ、常識」

今度はネクタイを調整し始めた・・・何度も結び直したらよれよれになっちゃうよ