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高階「鬼頭さん!」


廊下を歩いてると後ろから呼び止められる


『お疲れ様です、高階先生』

高階「お疲れ様です」


『寝てらっしゃらないんでしょう?』

高階「…どうしてそれを?」

『顔が疲れてます、医者の不養生って言葉があるくらいですから』

高階「そんなに分かりやすいですか?」

『渡海先生を見習って仮眠室で1日寝てみたらいかがですか?』

高階「……」


高階先生の顔から笑みが消える

もしかして【渡海】てNGワードだったのかな、地雷踏んじゃった感じ?


『何かわたしに御用だったのでは?』

高階「あっ、そうです

小春ちゃんの点滴の針を取り直してくれたそうですね」

『仕事ですから』

高階「喜んでました、全く気付かない内に、なぞなぞ考えてる間に終わってたって」

『経験が長くなると、ちょっとした裏ワザも身に付くんですよ』

高階「裏技?」

『子どもの気を逸らすテクニックのことです』

高階「なるほど、私はそういうのにはまるで疎くて」

『大人でも子どもでもやる事は一緒です』

高階「…?」

『血管の中にそれより細い針を入れるだけですから』

高階「簡単に言えばそうですが・・・」

『仕事が残ってるので失礼します』





『失礼します』


退院が明日に迫った患者の診断書をもらうために、悪魔の住処である仮眠室に入る


「珍しいな、こんな時間に」

『明日退院の林さんの診断書を頂きにきました』


彼の座るソファの近くまでいくと

『これ何の設計図?』

「スナイプだよ」

『スナイプ?

でも何で設計図? バラバラに解体でもするつもり?』

「くくっ お前は本当に・・・」

設計図を持ったまま肩を震わして笑う征司郎


なに、わたしそんな面白い事言ったかな?

「そこら辺にいる医者よりよっぽど優秀だよ」

『どうもありがとう?』

「【大は小を兼ねる】は嘘だ」

『…?』


不敵に笑う征司郎の頭の中はどう頑張っても理解できなくて、

理解するのを諦めて書いてあるだろう診断書を探す



ガチャッ

世良「あれ、鬼頭さん、良かった!」

『お疲れ様です、何か御用ですか?』

世良「明日退院の林さんの診断書、渡海先生から渡すように頼まれてて・・・ナースステーションまで行ったんですけど、擦れ違っちゃったみたいで」

『世良先生が持ってらしたんですか?』


ここに無いなら早く言ってよ!

非難するように征司郎を見るけど、当の本人は知らんふりを決め込んで目も合わない


すごいイラっとするんですけど!

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作者名:water lily | 作成日時:2018年5月1日 0時

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