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ー 22:20 ー
「ただいまー」
リビングに入るが怜理の姿はない…この時間だから智明は起きてないだろうとは思ってるけど…
「怜理〜？」
声のボリュームを落として妻の姿を探す。
少し隙間の空いた子ども部屋…音を立てないように、ゆっくりとドアを開いて中を覗く
ベッドに寝ているのは、自分の息子。
収録の合間に戸田に言われた「智明は小さな山ピー」を知ってから知らずか、寝相まで自分と同じだ。
お気に入りのドナルドダックを抱き寄せてる。
『…ともくん？』
智明の髪を撫でる手を止めて、振り返ると怜理が立っていた。
『おかえりなさい』
「ただいま。…ん、こっち…」
ドアの手前で立ったままの妻に手を伸ばして、自分の側に引き寄せる。
『…なに？どうしたの？』
寝てる智明を起こさないように、囁き声で怜理が尋ねる。
右手は妻と繋ぎ、左手は息子に。
「今さ、俺にとって1番大事なものが両手にあんの。
すごい奇跡だなぁって実感してる…」
『ふふっ…うん、そうだね。』
「今日 戸田に言われた。 智明は小ちゃい山ピーだねぇって。」
『ともくんにそっくりだもんね。笑った時の顔とか、本当に似てる。』
「…もう2歳かぁ。早いな。昨日まで赤ちゃんだった気がすんだけど？」
『あっという間に大きくなるよね。もうちょっとゆっくりでも良いのに…。』
『なに？今日は何かあったの？』
「なんもないよ。
ちょっと思っただけ。いつまでパパ抱っこって言ってくれんのかって。」
『あきより ともくんの方が寂しがり屋だね！
あきくん、パパが寂しいって！』
「ふざけんなよ、寂しいなんて言ってねぇじゃん。寂しいのは怜理だろ。」
『……もうちょっと見てる？』
「…起こしちゃいそうだから、向こう行こ。あきが寝てるから、しょうがないから怜理で我慢する。」
立ち上がってリビングに向かう中、そんな冗談を言ってしまう。
『うわ、サイテーな発言だー。もう ともくんとは一緒に寝なーい。』
「いや、うそうそ。冗談だよ、怜理が良いって！」
『ふふっ ホントにー？』
「ほんと。だから、仲良くしよ？」
『怜理で我慢して？』
「さっきのは冗談だって。ほんとにごめんって…」
『分かったから…お風呂入っておいでよ。』
「一緒に入る？」
『もう あきくんと入った。』
「うわぁ、あきに怜理取られたー。」
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作者名：water lily
| 作成日時：2017年11月12日 23時
