To love is to suffer (ページ13)

今日:7 hit、昨日:7 hit、合計:109,844 hit

13 ページ13

どれだけ子どもが力を込めても、大人の力には敵わない。

「やあぁぁ！パパがいいのー！」

ようやく玄関まで来るけど、怜理に抱っこされてても手は俺の方に必死に伸ばしてる。

そんな息子の様子に申し訳なさと嬉しさが入り混じったような複雑な気持ちだ。

「ごめんな？あき…」

『ともくん時間大丈夫？こっちは良いから行って？』

怜理に促されて玄関扉を開ける。

扉が閉まる瞬間に見えたのは声を枯らして怜理に泣きついている智明の姿だった…

ー Fuji TV studio ー
浅利「やっぱ、さんまさんの番組は緊張するよ…。」

戸田「そんな緊張してるように見えないよ。」

浅利「いやいや、緊張するって！だって俺テレビでホンマでっか！？見てるしさぁ」

山下「みんな見てるから。陽介、頼むよ！」

戸田「緊張してるって言ってるのにプレッシャーかけてる！」

セット裏でスタンバイをして出番を待つ。

表の準備をして、あと5分程で呼ばれるらしい。

戸田「ねぇピー、怜理元気？」

山下「元気だよ。なんで？」

戸田「いや、最近会えてないからさ。元気かなって思って。魔王も元気？」

新垣「待って、魔王てなに？」

側で聞いていた新垣が思わず突っ込んでしまう。

戸田「え？ピーんとこの子ども。」

山下「人んちの子ども魔王呼ばわりすんなよ！」

戸田「え～だって怜理言ってたよ！毎日魔王に振り回されてるって！」

浅利「智んちの子どもって何歳？」

山下「もうじき2歳。マジで魔の2歳児だよ…」

比嘉「友だちの子も同じぐらいで、ちょうどイヤイヤ期？」

山下「その前兆を最近出して来てんだよ…。」

スタッフ「本場入りまーす！3、2、1」

加藤アナ「ダメな人がすぐ分かる！ホンマでっか！？人間性診断～！」

・
・
・
・
・
スタッフ「本日の収録は以上になります、ありがとうございました！」

「「ありがとうございました」」

マネージャー「山下さん、この後移動してコードブルー組での取材が3件入ってます。」

「はい。移動何分後？」

「20分後に出ます。」

マネージャーの言葉に頷いて、楽屋に戻って衣装を脱いでいく。

一旦、私服に着替えてから、自分のスマホをチェックする。

「なに？哀愁の漂う背中？」

怜理から送られて来た意味不明なメッセージと添付された画像を見てみる…

「ふっ哀愁って…」

画像にはうな垂れたように背中を丸めている智明の後ろ姿があった。