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俺が起きたら、モンスターはもう用は無いと言わんばかりにリビングにいるであろう怜理の元に猛ダッシュ!
「ふぁ〜ぁ」
大きな欠伸と共に背伸びをして、ようやくベッドから抜け出す。
『おはよう、ともくん』
「…はよ、怜理」
リビングに入ると、すっかり着替え終わった怜理がいた。
『コーヒーで良い?』と聞きながら、足元で抱っこをせがむ あきを抱き上げる。
『せ〜のっ! あきくんは? 何飲むの?』
冷蔵庫を開けて、牛乳からオレンジジュースまで見せている。
「ぐるぐると!」
『飲むヨーグルトする? 良いよ、じゃあママがコップに入れるから、ちょっと降りてくれる?』
「…はぁい」
怜理に降りてと言われた あきはあからさまにテンション下がってる…お前、どんだけ怜理が好きなんだよ…完全にママっ子だな。
朝ごはんを食べるために、自分も椅子に座ろうとダイニングテーブルに近づていく。
「…ぱぁぱ、だっこ…」
「もうご飯だから、あきも椅子座って?」
強請るあきを椅子にお子様用の椅子に座らせようと脇の下に手を入れて持ち上げる。
「いやぁ、だっこ!だっこ!」
椅子に足が着くか着かないかの位置で、思いっきり体をバタつかせて全身で座るのを拒否される。
「抱っこしたら、ご飯食べる?」
「…あい!」
ここまで言い切られると無理に座らせる訳にもいかず…
結局 俺の膝の上にあきを座らせる形で落ち着いた。
『あきくん良いね、パパに抱っこしてもらって。特等席だよ?』
「あい!とうとうき!」
いや、特等席言えてねぇから!
「何で朝から抱っこ?」
『ともくんがドラマの撮影で最近は帰って来るの遅くなったから。甘えたいんだよ、パパに。』
俺とあきを見ながら幸せそうに微笑む怜理にそう言われると 悪い気はしない。
というか、だいぶ嬉しい。
『今日も撮影だよね?』
「今日は番宣の収録と取材。予定だと21時には終わるはずだけど。 あき パパに会えなくて寂しかった?」
「はぁい!」
『ふふっ、素直だね。あきくん、はい ヨーグルトどうぞ。』
「あぁと」
『どういたしまして。 はい ともくん コーヒーね。』
「ありがと。あき これパパのだから!」
何にでも興味があるあきは コーヒーが入ったマグカップに手を伸ばしてくる。
さすがにコーヒーは危ないから、あきの手が届かないようにテーブルの奥の方に寄せてやる。
「ぶー。」
「ぶーじゃない。そんな顔してもコーヒーはダメだから。」
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作者名:water lily | 作成日時:2017年11月12日 23時