悪の華【黒執事】 (ページ8)

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～after cricket games～

「「「「「やったー、青寮(ブルーハウス)史上初の優勝だ～～～！！」」」」」

『うそっ…っそんな…、有り得ない』

目の前を光景を信じられない、

まさか万年最下位のあの青寮(ブルーハウス)が勝ったの…？

決して辛勝したわけじゃない、完璧な試合(ゲーム)、非の打ちどころがないほどの…

周りにいる応援していた緑寮(グリーンハウス)も同じように信じられないのか、いつもの威勢の良さは鳴りを潜め、言葉を失っている

「ファントムハイヴ伯爵は実に見事な手腕でしたわね、A様？」

隣で観戦していた名も知らない令嬢に声を掛けられる

『……』

「婚約者としてきっと鼻が高いでしょうね」

『…っ…』

「A様？」

『あっ…本当に信じられなくて、…』

「まあ！

でも無理もありませんわ、青寮(ブルーハウス)が優勝なんて奇跡に近い出来事、誰も予想しませんでしょう？」

『…奇跡、たしかにそうですね

青寮(ブルーハウス)の……碧の奇跡』

「おめでとうございます」

『…ありがとうございます』

寮生に胴上げされているヴィンセントを見て、本当に優勝したんだと実感が沸いてくる

「俺が勝ったら、

俺がきみを愛してるという事を信じてもらおう」

1ヶ月前にヴィンセントに賭けを持ちかけた時の言葉を反芻する

『ふふっ、まさか…この賭けに負けるとは思わなかった』

誰が見てもわたしに利のある賭けだったのに、

負けるなんて誰が予想できただろう

それとも彼は、この賭けを持ちかけられた時から勝算があったのだろうか

【奇跡】を起こせると確信していたから受けたのか

『何を考えてるのか、本当に分からない』

ねえヴィンセント

上手くやっていけるかしら？わたしたち

「…Aお嬢様」

『その表情からして、あなたはこの優勝を予想してたんですか？タナカさん』

「ほっほっほ、

執事たる者、主を信じずにどうします？」

ｸｽｯ
『執事の鑑ですね』

「どちらに行かれますか？」

『まだ、盛り上がっている最中のようですから、声かけるのは出直します

彼にボートパレードを楽しみにしていますと伝えてください』

「確かに賜りました」