Will you Marry me? 4th season (ページ2)

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「ただいまー」

ドラマの撮影も終盤に入って、深夜帰宅が当たり前になった

初めての外科医役で待ち時間にも縫合の練習をしたりと休む暇がない

ガチャッ

リビングに灯りはあるけど、Aの姿はない

俺が帰って来るまで起きて待ってて欲しいなんて亭主関白な考えは全くないし、Aだって仕事があるんだから、この光景は見慣れたものだ

ダイニングテーブルの上にはラップを掛けられた俺の分の夕食があってレンジで温めながら味噌汁に火をかけた

冷蔵庫からビールを取り出して一口飲めば自分の身体に染みわたる感覚がした

かなり遅い夕食？夜食？を摂りながら、ふと進んでいた箸が止まる

「あれ……なんだろ」

何がと言われると難しいんだけど、

味噌汁の味がいつもと違う気がする…ような気がする

使ってる味噌でも変えたんだなと大して気にもせずに食べ終えて、シャワー浴びて、Aの待つ寝室に行く

『…っ、和くん？』

「ただいま、メシありがとう」

『ううん、おかえるなさい』

ベッドヘッドに背中を預けてゲームをしていると音と微かな物音で眠りから覚めたのか、Aが寝返りを打ってこっちを向く

その眠そうな顔がまた可愛いんだよねぇ

「……なに？」

寝ぼけてるのかと思ったけど、ずっとこっちを見続けるA

え？なに？

もしかして誘ってんのかな？

『…何でもない』

あらら、またあっち向いちゃったよ

どうしちゃったんですかねぇ？俺の奥さんは。

「なに？何かあったの？」

『…もう寝てまぁす』

「寝てないでしょうよ、何なんかあったの？」

『もう寝ようよ、和くん』

「えっ？誘ってんじゃないの？」

『誘ってないよ』

「なんだ…俺、誘ってもらえたのかと思っちゃったよ」

『……』

本当に眠いんだろうAはもう瞼を開けてさえくれない

しょうがない…俺も寝るよ

こういう所が「和はAに甘すぎる」ってJに言われる原因なんだろうな

「そっち向いて寝んの？」

『……』

ゆっくりとした動作で俺の方を向いて腕の中に納まるA

『和くん、』

「うん？」

『…ギュってして』

いつもの甘える時の声とは違う、消え入るような、今にも泣きそうな声でAがすり寄ってくる

「いいよ、おいで」

チュッ、チュッ

少しでもAが安心するようにと背中に回した腕でゆっくりと摩りながら、髪の毛や頬に触れるだけのキスをおくる