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外から大きな風雨の音がして、勢いよく家の窓ガラスをバンバンと叩いている。
 急に荒れ始めた天気の様子に合わせ、ちょこちょこ対策を進めてはきたが、今朝テレビで見た天気予報では晴れの予報が出ていたので、私は「嘘をつかれた」と一人で眉間にシワを寄せながらひたすら濡れた洗濯物を取り込んでいた。

 一通り家事が終わり、ダイニングに入って食卓についた。

 「かなり降ってるわね」

 窓の外を眺めていた母が言う。

 「まあこの辺りはこれより大きな台風が来ない限り何ともないしな。余計な心配はいらないさ」

 生姜焼きを一枚頬張り、父が優しく、心配そうにする母を宥める。
 そんな父に続くように、

 「そうだよ、この間の台風だって、何ともなかったじゃない」

 と私も声をかけた。

 「……それもそうね。うん。外に出てるものさえ仕舞えばいいわ」

 母はそう言うと、今までの心配を流すように味噌汁をすすり飲んだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 食事を終え、風呂に入り、自室に戻る。
 近日に迫る定期テストに備え、勉強してもいいと思ったのだが、机の上にこれでもかと乱雑する勉強道具たちを見て、そのやる気は一気に失せてしまった。

 私はベッドにダイブし、何も考えぬようにゴロゴロ転がる。
 ベッドの端にいる、大きめの犬のぬいぐるみを抱き寄せ、温もりを求めひたすら強く体を丸くした。
 
 その時、着メロと共に震えだす携帯電話。
 自動的に電源がつき、液晶画面にメッセージが浮かび上がってくる。
 今すぐメッセージを見ようとしたが、やはり身体を起こすのも億劫で、無理やりながらも伸ばした右手で携帯電話を取り、メッセージを確認する。
 メッセージをパッと見て確認し、その送り主が分かった途端また思わず眉間に皺を寄せた。
 送り主はやはり友達(仮)。その内容は実に下らなく、下衆なものだった。

♪→←第一楽章 出会い 〜incontro〜



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??nana??(プロフ) - ルルさん» はい、いいですよ! 遅くなる場合もあると思いますが、ご了承ください… (2018年1月2日 11時) (レス) id: c3b13c44d9 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ??nana??さんありがとうございます!   私はボールルームへようこそが好きなのですがその小説を作ってはもらえませんか?? (2018年1月2日 11時) (レス) id: 71aa072403 (このIDを非表示/違反報告)
??nana??(プロフ) - ルルさん» リクエスト私でよければ構いませんよ (2018年1月1日 9時) (レス) id: c3b13c44d9 (このIDを非表示/違反報告)
??nana??(プロフ) - ルルさん» いいえ、気にしないでください。大丈夫ですよ!コメントしてもらって嬉しかったです! (2018年1月1日 9時) (レス) id: c3b13c44d9 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ??nana??さんすみません妹ユナのスマホを使ってコメントしてしまったのでIDが多分ユナと同じになってしまいました。本当にすみません! (2018年1月1日 9時) (レス) id: 71aa072403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nana | 作者ホームページ:nana'sホームページ  
作成日時:2017年9月23日 16時

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