お嬢様の日常【探偵チームｋｚ】 (ページ5)

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４．ｙｏｕｒ　ｓｉｄｅページ5

そして身支度を終え、部屋を出る。

「Aお嬢様、どこかへお出掛けですか？」

「ちょっと散歩に出かけるわ。すぐ戻る。」

「承知致しました。いってらっしゃいませ。」

部屋の前を掃除していたメイドが私に気づき、深く礼をした。

「お嬢様、準備は終わりましたか？」

蒼が待ち構えていたように出てきた。

‥‥いつからいたんだよ‥‥

「参りましょう。」

散歩位一人で行けるのに‥‥

「「いってらっしゃいませ。」」

大きな屋敷を出るときにはいつもたくさんのメイドが頭を下げている。

そして屋敷を出てしばらく歩いていた。

「そういえばお嬢様、明日は旦那様が帰られるそうです。」

「‥‥そう。」

さっきも言ったけど、私はお父様が嫌い。

というか、私はお父様に嫌われている。

「来週の日曜日、いろいろな方々がお越しになって、パーティーが開かれるそうなので、ヴァイオリンを披露してほしいとのことでした。」

「‥‥わかった。練習しとく。」

私は堅苦しいパーティーはあまり得意ではない。

「あぁ、学園の方や、社長様のお子様なども来られるみたいですよ。」

学園、とは、私の通う私立の超有名校、栄生学園のこと。

社長の子ども、つまり跡取りが多く通っていて、周りからはセレブ校とも呼ばれている。

私はその栄生学園の中等部2年だ。

栄生学園は幼稚園から高等部まであって、途中で編入してくるのはとても難しい。

まあ、私は学園のみんなは好きだけど。

「そうなの。それは楽しみ‥‥」

その角を曲がったそのときだった。

ドン

「キャ‥‥」

誰かとぶつかってしまい、尻餅をついてしまった。

「いって‥‥」

私とぶつかったのは男の子。

「お嬢様っ！大丈夫ですか？お怪我は‥‥」

蒼はいつもいつも大袈裟。

‥‥ぶつかった子も、周りの子たちも、ポカンとしてるし。

「いたた‥‥蒼、心配し過ぎよ。」

私は蒼に手を貸してもらいながら立ち上がった。

そして、スカートを軽くはらって、お嬢様として微笑んで優雅な言葉遣いで。

「失礼いたしました。お怪我はありませんか？」

蒼に手を貸してもらいながら男の子は立ち上がった。