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『…ウルド？』
「…」
何も言われず、ぎゅう、と抱き締められる。そんなウルドに眉尻を下げた。
私はずるい奴だ。彼の優しさに付け込んでいるのだから。
『…怒ってる？』
「怒ってない」
『じゃあ、嫌？』
「…嫌だと言っても、おまえは話してくれないんだろう？」
それに沈黙する。
「私は、いつまで待てばいい…？いつになればおまえの隣に行ける？」
『あと少し。あとほんの数年の内に色んなことが起きる』
ミカや優といったキーが動かされた。ならきっと、数年の内に全てが始まる。
『身勝手でごめん。君は、私のことを一番に優先してくれているのに今の私は…ウルドを一番に優先していない』
そう言えばウルドの腕に力が籠る。
『今は…ウルドを一番に優先出来ない。私には知りたいことがあるから』
「知りたいこと？」
『そう。…みんな、消えたでしょう？』
それにウルドはピクリと反応した。
『何故、彼等は消えたのか。何をするつもりなのか。この世界はなぜ崩壊したのか。…私は知りたい』
兄様やリーグ、アシェラ達が姿を消した。それぞれの思惑を持って。何かを成し遂げとようとして。
私は、兄様の計画はほんの少しの部分しかしらない。だからもし…その計画にウルドも巻き込まれるのなら私も黙ってはいられないのだ。私はそれを知りたくて日本に来たのだから。
「真祖を探しているのか？」
『それもあるよ。覚えてる？兄様はアシェラと一緒に日本に行ったんだ』
昔。二千年程前から。あの場所からみんなバラバラになった。
「真祖を見つけてどうするんだ」
『どうもしない。どうせ彼は私のことなんて気にしないから。…ただ…』
「…」
『ただ…会いたいだけなんだと、思う』
それはもう本能に近かった。
私にとって兄様はウルドと同じくらい特別な存在だ。
赤子の頃に捨てられていた私を拾い、育ててくれたのは兄様だ。そして、長い時間を共に過ごした。その中で彼に対する執着心のようなものが生まれていたのは事実なのだ。でもそれは親鳥に焦がれる雛のようなもの。
「会って、どうするんだ。…まさか付いていくのか」
『違うよ。それはない。断言出来る。私はウルド以外の手を取るつもりなんてないから』
「なら何故、」
『ねぇ、ウルド。兄様はいつも何もかもを見通していた。こうなる世界も、きっと…』
「この崩壊した世界もあの男の計画通りだと？」
『私はそう思ってる』
そう言うと、ウルドは難しい表情を浮かべた。
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レイ(プロフ) - 露亞さん» 私の妄想満載の小説を素晴らしいだなんて…！ありがとうございます！のんびり更新していきますので、また良かったら読んでみてください！ (2020年6月15日 18時) (
レス) id: e8675e311e (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ウルド様ァァァあ”あ”ウルド様！！！素晴らしい小説ですね！！！更新頑張ってください！！！！！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年6月6日 21時
