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『今年から、っていうか先月からマネージャーとして入部した狼谷です』
今日から合宿が始まった。いつも使っている森然高校の体育館が使えないとかで、今回だけ梟谷学園高校で合宿を実施することになった。
「わー!ついに音駒にもマネだね!これで全校揃ったねー!」
そうやって楽しそうに言うのは生川高校のマネージャー、宮ノ下英里さん。あとは梟谷の雀田かおりさんと白福雪絵さん。そして森然の大滝真子さんと音駒の私。
「結構重労働も多い10日間だけど、頑張ろ〜!」
同性の友達が新しくできて、私はもうそれはすごく嬉しかった。
というのも、男子バレー部のマネージャーになってからというもの少し、同性からの風当たりが強いと感じていた。しつこいようだけど、本当に少しだけ。
まあ全然、漫画とかで見るような被害もなく今は健康にマネージャーやってるわけだから気にはしていない。元々、友達って少ないし。
特に話すこともないし、話したいこととないから基本的に私から話しかけることは無かった。
けど、それは黒尾が私に話し掛けてくれるようになってから変わったと思う。普段はふざけてばっかだったり、本当アイツ……って思ったりもするけど、実際はすごく素敵な人間なんだってことを知ってる。
笑顔は胡散臭いけどね。
雀田「そういえば、Aってバレーボールやってたんだって?」
『まあ、うん』
白福「あぁ、木兎が何か言ってたね〜」
宮ノ下「え、木兎が?」
白福「うん、何か【音駒に中学の時のオレを知っている子がいた!俺有名人!!?ヘイヘイヘーーーイ!】って」
ちょっと真似をするのが可愛くて、思わず吹き出してしまった。私はまだ彼のことよく知らないけど、なんとなくそう言っている姿が想像できるのが面白い。
大滝「話してたらあっという間におにぎり終わったね、持っていこうか!」
『あ、私重いの持つよ。』
大滝「え!?いいよいいよ!」
『気にしないで、私鍛えてるから』
実際あんまり変わりはないんだろうけど、やっぱりこういうのは私みたいな人間が向いていると思う。だって一番デカいし。
宮ノ下「甘えちゃえ!今日はこういうご飯系がメインだったけど、明日からはガンガン試合の方に入るからまた頑張ろうね!!」
雀田「初日から疲れたね、お風呂で寝ちゃいそう」
『あ、それ分かるかも。』
白福「明日の晩御飯、なんだろう」
大滝「やっぱりカレーライスかな?」
合宿の初日は、そんな感じで特別なことは無く終わった。
ただ、これから鬼の自主練に付き合わされることになると微塵もは思ってもいなかった。
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ゆめの(プロフ) - 投稿頻度凄い高くてうれしいです!頑張ってください〜⸜(*´꒳`*)⸝ (2月27日 1時) (レス) @page28 id: 98dd5cf759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2024年2月23日 4時