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意を決して路地裏に足を踏み入れたは良いが、そこには想像すらしていなかった光景が広がっていた。
『み、ついサン…ッ!?!!?』
不良グループが三井サンともう一人、ガタイのいい男を取り囲んでいたのだ。
『ぁ、……あ…ッ!!!!』
しかし今取り囲まれているウチの一人は見覚えのある人で、よく見たら取り囲んでいる男達も顔を知っていた。
特にそのボーダーのシャツなんて見覚えがある。
三井「湊ッ!?どうしてここに!!」
『や、めて…何してるの……!!!』
三井サンともう1人のボロボロの人、どうして彼らが一緒に狙われているかは今の私には考える余裕なんて無かった。
それでも三井サンの今の状況を見て、酷い寒気がしたことはしっかりと分かる。
不良たちは三井サンの手を腕を地面に押さえつけて鉄パイプのようなものを構えている。
考えたくも無かったけれど、彼らがやろうとしていることはスグに分かった。三井サンの手を潰そうとしているんだ。
三井「やめろっ、離せェ!!!!」
必死に抵抗をしたのか、三井サンの顔には少し傷がついており、服も汚れていた。
『やめてっ、お願いです、!!!!』
もうこの時には意識なんてものは無かったかもしれない。
無意識に三井サンと男の間に入り三井サンともう1人のボロボロの男を庇うように立っていた。
『みついさんはっ、これから試合なの…』
分かっていた、三井さんを今傷付けている相手は、かつて私も会ったことがある。
三井「湊……、?やめろ、逃げるんだッ!!!」
『ヤ、です!!!』
「……ツラも、カラダも、…良いな。」
ソイツはペロ、と唇を舐めた。やっぱり見覚えがある。
けれど、向こうも私の事を思い出したのか嬉しそうな顔になった。
その僅かな表情の変化に気づいた自分がまた嫌になる。
「髪型が変わって分かんなかったケド、オマエはあん時の女だな?」
「面白ェ、どーしてそいつらを庇う?」
『わたしはっ、!!
湘北バスケ部のマネージャー、だから!』
「へぇ?」
『マネージャーが選手を守るのは、当たり前ですっ!!!』
「マサカと思うが三井、何も言ってねえのか?
……まあそれもそうか、あンな事言えるわけねえよなァ!?」
三井「黙れ……ッ!!」
物凄い威圧感だった、私に向けられたものでは無いと分かってはいるけど、怖くて足もすくみ腰が抜けてしまった。
そしてその時、救世主が現れた。
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HAL(プロフ) - ネコさん» ネコさんありがとうございます…、気づいた時めちゃ声出ました、、音で覚えてちゃ行けないですね……!!! (2023年1月28日 14時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - いつも楽しく読ませてもらっています。面白いです、藤真さんのまは、真じゃないでしょうか?間になっていますよ。更新楽しみにしています。 (2023年1月28日 11時) (レス) id: 424c5bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年1月21日 19時