51. 過去編回想13: 敗北 ページ15
私達の些細な願い事が
叶う事は許されないのだろうか。
…あの人と共に、仲間と共に…。
ただ平穏な日々をおくりかっただけなのに。
…………
「……大丈夫か?Aっ…!」
『…晋助…!小太郎も……!」
「お前たちも捕まったのだな…。」
辰馬が重傷を負い、戦から離脱。
兵も少なくなってきて、
私達は等々天導衆の者に捕まってしまった。
「……先生…?」
小太郎が言葉を発して見る目線を辿れば、
ずっと会いたかった人の姿が。
あともうちょっとで届きそうなのに。
すると白い髪の人が事を勧めた。
どっかで見た事のあるような……。
「……お前達の弟子がお前と共に犬死してゆく道を選ぶか、それとも、その手で師を殺めてでも生き残る道を選ぶか、どちらでも好きな方を選べ。」
「「『……っ!!』」」
そんな事銀時は絶対にしない。
だって先生は、銀時にとってのかけがえの無いの人だから。
そう、信じていたが、…
彼は刀を握りしめ、ゆっくり前に進み出す。
『銀時…!!あいつの言う事は聞くな…!!刀を下ろして!!』
「銀時…!頼むから止めてくれ…!!」
晋助と必死に銀時を説得した。
彼はその足を止める事も無く、先生の前に立つ。
『お願い銀時…!まだ先生に言いたい事があるの…!…約束したでしょ…!?』
縄で縛られた身体でも、立ち上がって彼を止めたかった。
……まだ先生にワガママなんて言ってない。
……まだ先生の財布、すっからかんになるまで甘えてない。
まだ私達は、皆一緒に寺小屋に帰れてない。
「止めてくれーッ!!」
ザシュ…ッ!
晋助の苦痛な叫び声と共に目に写るのは
斬られた先生の生首と、
銀時の大きな背中。
どんな思いで銀時が自ら大切な人を斬ったか、
私達には痛いほど身に滲みた。
「……ッ…!銀時、てめェ…ッ!!」
『……貴様…!よくも…ッ!!』
晋助と同時立ち上がり、
私は銀時に命じた白い髪の人に向かった。
「グッ…、!!」
銀時に襲いかかった晋助、
だが白髪の人に投げた短剣に左眼の視界を奪われた。
その光景に一瞬足を止め、ますますあいつに憎悪を感じた。
『ッ…!………てめぇ…!!』
あいつを殺さなきゃ、
銀時に命を下した奴を殺さなきゃ、
晋助の目を奪った奴を殺さなきゃ。
私の行き場の無い怒りは収まらない。
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綾葉メグ(プロフ) - ミイラさん» 読んでくれありがとうございます!そう言ってもらえて書いて良かったなと思います! (2020年4月1日 1時) (レス) id: 937ad8ad2e (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いです! (2020年3月28日 2時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 読んで下さりありがとうございます!そう言ってくれると心の励みなります! (2019年12月12日 23時) (レス) id: 2cd78e4a1d (このIDを非表示/違反報告)
梨央(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年12月12日 22時) (レス) id: 5659f84446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年11月25日 18時