【銀魂】紅華の女医

36. 女剣士です ページ49

紅桜大戦後、
私はお忍びで小太郎の所に行って、負傷した隊士達の手当てをしていた。



「すまぬな、A。礼を言う。だが、こんな所に来てもらって…真選組に怪しまれないか？」




『…大丈夫。私は医者として今回来ている訳だし、それに私が真選組の時は必ず貴方を捕まえるから。』




「そうか、俺もその時は精一杯逃げ切ろう…。」





いくら敵で言えども、私は医者である限り、手を差し伸べざるおえない事になるだろう。



だけど…




時には怖くなる。




私がやっている事は真選組を裏切っているのか…。





そんな足取りで向かったのはお妙さんの家。
負傷した銀時が余りにも安静にしないので、ここで見る事になったらしい。



『これで良し。安静にして下さいね。』



「何だよコレっ？やり過ぎだろ？なんで俺手足枷なんてはめてるの？あのプレイか？お前隠れドSだろ！？」




そんな事お構い無しに早速栄養剤を彼の体内に注射する。



この歳でも針が怖いらしい…。
そのせいかさっきより随分大人しくなった。




「なぁ、A。お前怒られたんだってな。
あのマヨラーに。沖田君が言ってたぜ？」




全く、銀時はいつもピンポイントで弱ってる時を刺激する。やっぱりドSね。




『怒られたというより、選択させられた。』




真選組に戻ったあの日、局長の口では無く副長の口から告げられた。



………

「てめぇは何者だ？調べて見りゃあ、お前についての情報はここ最近のしか出てこねぇ。



おまけに高杉に桂、そしてあの万事屋と接点がある。合成的に考えりゃ結果はつく。



そんな得体の知らねぇ奴に、俺達の背中は預けられねぇ。



今すぐ辞めて元の道に戻るか、それとも吐くか。明日までに答えを見つけて来い。」


…………




と昨日の晩に言われた。局長や他の隊士は何も言えないまま。



私も答えも出せないまま、銀時の元に逃げてきた形だ。




「辞めたら良いじゃねえか。元々俺は反対だったんだ。お前は医者の道を歩めば良い。
無理に刀を握って戦う必要もねぇだろ。」




確かに銀時の言うとおりだ。
でも……、





「……俺に話してみろよ。そしたらスッキリするだろ。お前も。」



全てをまとめた後、銀時は床下の畳をトントンと叩く。




「だとよ、ジミー君。土方の野郎の所にAを送って行ってくれ。全部話すんだと。」




「……A先生…、いいんですか？」




『…えぇ、そろそろけじめ付けたいからね。』

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