【銀魂】紅華の女医

3. は…？ ページ4

数時間前、


『ここね……江戸のかぶき町。』



大きく開いていた地図を閉じ、
深く被っていた三度笠上にずらし、空を眺める。


底には天人の船が空を覆う様に浮かんでいた。



『変わり果てたものね。街も江戸も。』



10年前の戦によって破られた私達への嫌がらせだろうか…。何をどうこう言ったとしても、


あの戦に破れてしまった事に変わりない。



ギュッ……



思わず腰にぶら下がる刀を握る。



『道なら作ったらええ、なんも気にならへんわ。』



その決意でかぶき町の門を潜る。




ここに来たのはある依頼を受け、遥々京から来たのだ。



まあ、依頼は明日…何だけど…。



実の話、私はかなりの方向音痴な為、
私の弟子たちに言われ、早く立つよう命じられた。



あれ、立場逆じゃないか？なんて思う気もするが…。


……………



他の田舎街と比べりゃ栄えた街だけど…
空気はあまり新鮮じゃない。


それに外来種も多く居る。
見た事の無い種を見つける事出来るかも…。
これは研究に役立つぞ。





『街を知るには先ず人を知れって言うしね。』




それに約束の日までは遠いし、
いつもやっている活動ルーティンで過す事にしよう。



こうして私はこの街に住む人を知る為、そして外来種である天人の新種研究も兼ねての健康診査を行った。



ただその理由もあるけど、




一人でも多く、救いの手を差し伸べる様になりたかった。
だからその為医学を勉強した。



そうかつてのあの人の様に…。



『見守ってくださいね、先生。』




でもまさかかつての馴染みに出会う事になるとは思わなかった。





「よぉ。久しぶりだな。A。」



『相変わらず、お世辞上手いどすなぁ。銀時。』





数年ぶりに顔を合わせた彼は、
あの時よりも凄く逞しくなっていて…。



前と変わらない態度で、私に笑いかけてくれていた。






(やっと、会えましたね。銀時。)





信頼できる仲間が居るようで、
本当に良かった。

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