【銀魂】紅華の女医

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《銀時 サイド》


Aを一旦俺んちに送り、神楽に寝床とか色々手伝うように言い付けた。



『あんまり飲みすぎないでね。二人共。』



万事屋を後にして再び河原の方へとヅラと二人で戻った。


「お前も女々しい所があるんだな。未練がたらたらでは無いのか？銀時。」


あの髪紐の事か。


「あいつ、絶対忘れるだろうなと思って取っといたんだよ。んなもんじゃねーよ。」


「そうか？どう見てもAはうっかり忘れたのではなく、わざと忘れたと思うんだがな。」



わざと忘れた、か…。
お互いに未練が相当あるってこった。



「知らねーよ。そんな都合。俺は確かに返した。ただそんだけだ。」



いつまでもアイツの物を持っていると色々思い出すんだよ。持ち主に早く返したほうが良いだろ。



「それよりさ、とっとと姿現しやがれ。」



さっきから、のこのこと着いてきやがって。




「…ククッ、何だ？俺抜きで楽しい同窓会かァ？
随分、平和ボケしてる連中だこったァ。」



「案ずるな。お前だけお呼びでは無いだけだ。高杉。」



すると煙管の煙を宙に吹き、月を見てはまた不気味な笑みを浮かべる。



「Aが此処に来てるんだってな。
見ないうちに別嬪になってるって聞いたぜ？

惚れ直したんじゃねぇか？銀時。
あん時てめぇが手放した一輪の華をよ？」



「…ケッ、それはてめぇの方じゃねぇか？
名の知られた大悪党が江戸まで、しかもあいつに気かけてよォ、何企んでんだ？」



「……ムキに何なよ銀時。俺ァ、ただ噂を確かめに来ただけだ。まぁ、そいつに宜しくと伝えてくれや。」



「高杉、てめぇが何を企んでるか分かんねぇが、てめえにAを会わせねぇからな。」



「近付いた時は即、貴様をぶった斬る。」



「ククッ…そうかい、せいぜい守り通してみな。
また大切な物を無くさないように…なァ？」



と高杉は三度笠を深く被リ暗闇へと姿を消した。



今日は妙に昔の奴らと会うなぁ…、



「銀時、警戒が必要になるぞ。恐らくあいつらはAを狙いに来るに違いない。」



ヅラの言うとおり、あいつは医者の他に、天人独特の薬剤や物質とか知り尽くしている。



それを高杉が狙いに来るのは厄介だ。



真選組の奴らがあいつに依頼したのも、あくまでも保護の為。


他の奴らに狙われるのも時間の問題だ。



「今度こそ守り通すのだろ？銀時」


「………絶対に取らせねーよ。俺達の花を。」




今度こそ守ってみせるさ。
あん時よりも。

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