【銀魂】紅華の女医

※ ページ36

《土方 サイド》



「……あぁ、分かった、分かった！


犯人捕らえられたし、例の品も取れた。これでチャラにしてやらぁ。」




俺が叱ったあと、あいつら三人揃って弁護するからもううるせー。




それに総悟だけを連れに行かせたのが間違いだったか…。



「今回の件、協力に感謝する。」



「別にてめぇらの為じゃねーさ。」



「そうネ！てめぇらが姉御に面倒な事押し付けたからいけないネ！」



「分かったから、もう帰った！！楠本、例の薬の調合を調べてくれ。」



『分かりました。じゃあ、三人共気を付けてね。』



楠本が部屋から出て行くのを見て、
再び万事屋の連中に話をかける。



「お前らは帰っていいぞ。
万事屋の頭はここに残れ、話がある。」


…………、


「で、話って？くだらない事なら俺帰るけど？
俺、一応怪我人だしよ。」



「お前、楠本とは幼馴染なんだろ？
だったら、俺がてめぇに聞きてぇ事分かるよな。」



この天パに聞くのは癪だが、一か八かだ。




「で、てめぇはAの何が知りたい？」




……お前も知らばくれるのか。


奴の前に書類を出せば、あいつはそれに目を通す。俺は白黒はっきりさせたかった。





「てめぇには分かるだろう。楠本があの【戦場の彼岸花】なのかって事だよ。


白夜叉殿なら同期の事を覚えていてもおかしくねぇだろ。」




「戦場の彼岸花ね…。懐かしい響きだな。大体、女が戦場に行くわけねぇだろ。甘く見てんだろ、戦争。


しかもよこの書類、名前も顔も違ぇし？」




あいつは何かを知っている。あまり深入りするのも悪いが、楠本が真選組にいるかぎりこれは知る必要がある。



「…仮にもあいつが何も言わねぇなら、俺も何も言う筋合いもねぇし。


仮にそうだとしたら、あいつはもう攘夷志士じゃねぇよ。」




待ってあげたらどうだ。とその言葉を残して行きやがった。アイツに聞くのが間違いだった。




「収穫無しですかぃ？土方さん。今度は俺たちで調べ……」



「待て、もういい。あいつが真相を話してくれるまで待つ。これに関しては一旦忘れろ。」




どうしてと聞きたそうな総悟。
俺も簡単に諦めた訳でも無いが。




「多分アイツにとって触れたくねぇ事なんだろうなと思ってよ。」



人は誰だって思いだしたくねぇ過去くれえあるってもんだ。




「とりあえず、楠本には今回の件の反省文書かせておけ。」






今回はこれで全部チャラにしてやる。

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