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+2話+ ページ2

わかんないよ。



手が勝手に動いたの。


そう言おうと口を開いたけど、莉犬の鋭い目を見て飲み込む。






あと少しで僕泣いちゃうよ...?



もう少し精神年齢が低かったら、たぶんころちゃんだったら泣いてたよ。







やっぱり何も言わない僕を一瞥して、莉犬はころっと表情を変えて花のような笑顔を見せる。






「まぁいいや。身体能力はいつものるぅとくんだし、薬飲まされたわけじゃないんでしょ?」



問いかけられて、ようやく「うん」とだけ答えると莉犬は少しだけ僕を見てからうーと唸った。




「どっかで頭でも打ったのかなぁ」と頭をガシガシしながら歩いて行く。




あ、追い掛けなきゃ。


今、この世界で生き残るためには莉犬についていくしかない。

おそらく、味方である人物だから。






「てかアイツどこ行ったんだよ。...もういっそ死んでないかな」





そんな呟きが前から聞こえて心の中でひっ、と叫ぶ。

り、莉犬...、口悪っ!





「また、アイツの尻ぬぐいか...はぁーめんど」





アイツって、誰だろう。


メンバーじゃない、よね?









「うぁぁぁぁぁぁっっ!!」




「こっ、」


ころちゃん!?


思わず声を上げると、向こうもこちらに気づいたようで目が合った。

でも、すぐにサッとそらされる。





「うわ、まだ生きてた。...行こ、るぅとくん」




立ち止まった僕を促す莉犬。




え、助けないの?







「っ、いったぁ、」






僕は筋肉質の大男と戦う彼、ころちゃんを見つめる。




さっきのアイツって、ころちゃんのこと?







どんどん先に進む莉犬。



このままじゃ見失っちゃう。





もしかしたら、この世界では莉犬は味方だけど、ころちゃんはそうじゃないのかな。


さっきも目が合ったけど逸らされちゃったし。





でも、あんなに体格差があってころちゃんが勝てるわけがない。







「ぐはっ!...クッソ」






ガクッと片膝をついたころちゃんに大男がさらに渾身の一撃を入れようとする。




待って、死んじゃうっ。








「ころちゃん!」






「え」






これは、自分の意志で助けた。



大男の拳を受け止めると、グイっと捻って床に叩き落とす。


そのまま銃で心臓を撃ち放った。





視界の端で莉犬が驚いているのも見える。






「るぅとくん...?」





ころちゃんの戸惑う声も聞こえる。





安心させたくてにこっと微笑むと、ころちゃんは更に変なものでも見るような目を向けた。

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わこ - いいえ!そんなことないです!とっても好きなお話なので、たくさん待ちます! (2021年8月3日 22時) (レス) id: 48ef6fa197 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - 喜世さん» 頑張ります…!めちゃくちゃ亀更新ですみません…(>_<) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 50b0aef36e (このIDを非表示/違反報告)
喜世 - このお話ハマっちゃいました!更新がんばって〜! (2021年7月7日 21時) (レス) id: 48ef6fa197 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - 星雨さん» ありがとうございます!マフィア系に最近ハマっておりまして...(*^^*) (2021年4月25日 15時) (レス) id: 50b0aef36e (このIDを非表示/違反報告)
星雨 - この世界観、めっちゃ好きです!! (2021年4月19日 16時) (レス) id: afebd09899 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひの | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年4月2日 10時

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