迷子の新入生 ページ4
三枝「さっき、シェンと何話してたの?」
入学式が始まるまで生徒会室で事務作業をしていると、明那が声をかけてきた。
「なにって…普通に雑談してただけだよ?デコピン食らったけど」
三枝「ふぅーーーーーーん」
「なによ」
明那は「別にぃ」と言いながら口を尖らせている。こういうときの明那は、放っておくと結構面倒臭い。明那の顔を覗き込むようにして、再び「なあに」と問いかけてみると、少し思案した後に口を開いた。
三枝「なぁんか?緑仙とA、仲良いなぁと思ったりなんかしまして」
「そりゃまぁ、生徒会の仲間だし。明那もそうでしょ」
そういうと、明那は首を傾げて「うーん」と唸りだした。
三枝「鈍感もここまでいくと重症よな」
「なに、悪口?」
三枝「若干」
悪びれもなく答える明那に軽く回し蹴りを入れる。
明那が大して痛くもないくせに「痛いっ!!」とオーバーリアクションをしてみせると、廊下から「ぴゃっ!!」と甲高い声が聞こえた。
思わず明那と目を見合せ、廊下をそっ…と覗き込むと、ピンクの髪をみつあみに結った小柄な可愛い女の子が、尻餅をついてプルプル震えているのが見える。
「えっ!!可愛い!!天使!!美少女!!食べちゃいたい!!」
??「ぴぇぇえええ!!食べないでくだしゃい!!」
三枝「はい落ち着いて〜」
思わず少女に駆け寄った私の首根っこを明那が掴む。すまない、可愛い女の子に目がないんだ。
「ご、ごめんね。つい荒ぶっちゃった。新入生?迷子かな?どこ住み?LINEやってる?」
三枝「ちょ、全然落ち着いてないやんけ」
明那に割と遠慮のないチョップを食らい、少し冷静さを取り戻した。まずはヨダレが垂れてないか確認する。よかった、まだ人としての尊厳は保っていた。
周央「す、周央サンゴです。いちねんせいです」
「そっかぁ、サンゴちゃんかぁ。1年生の待機場所は多目的ホールだよ。案内してあげるね」
周央「いいんですか!やったぁ!怪しい先輩かと思ったけど優しくてよかった!えへへ」
か、可愛い…!こんな天使のような子が荒んだ我が校に入学するなんて奇跡があるのか…!!
可愛い可愛いと連呼する私の後ろで、明那が何か呟いたような気がしたが、私は目の前の天使のことで頭がいっぱいだった。
三枝「まったく…なんで俺、こんなのが好きなんやろ」
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時